遊技租界 『佐渡屋太郎のパチンコ商売道日記』

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骨のゆくえ――永代供養のニーズ【佐渡屋太郎-vol.275】

07年6月に開園した「北摂池田メモリアルパーク」の入口

いまは3月1日(金)の18時25分。やっと2月分の原稿書きがすべて終わった。今月の記事でいちばん面白かったのが、大阪にある墓地・墓石の会社を取材したものだった。葬儀業界では“直葬”や“家族葬”に代表されるように、過去の葬儀に対する価値観が崩れ、新たな多様なニーズが噴出している。それは葬儀だけに限らず、埋葬の方法においても“散骨”や“樹木葬”など従来では考えられなかったような形態が生まれてきた。その一方で、“孤独死”や“独居老人”など少子化や超高齢化の進行、さらに家族形態の変容によって、老人たちが極めて厳しい状況に直面しなければならない社会的な側面もある。

私は数年前から“終活セミナー”の取材を続けてきた。そこでは、死を迎えるまで(エンディング)に片付けておかなければならない問題が、次々と取り上げられ、その対策法がレクチャーされた。介護、病気、認知症、成年後見、葬式、納骨、相続など、それらと真剣に向かい合えば、“死ぬ暇もない”くらいに忙しくなる。以前であれば、息子や娘がそれらの問題をすべて片付けてくれた。しかし、今は息子や娘が遠く離れて暮らしていたり、近くにいても頼りにならないケースが増えてきた。さらには、前述のように1人で暮らしている老人も急増している。だから、自分の後始末を自分で付けておかなくてはならなくなってきているのだ。逆に、それらの問題を早めに片付けておけば、以後の人生の充実度は増し、安心して過ごせるようになる。

こうした事態に対し、これまで葬儀業界が中心となり、様々な取り組みを行なってきた。その中の1つとして、これらの問題にワンストップで対応できる窓口を作ろうという動きがあった。銀行、弁護士、行政書士、保険会社、葬儀社、遺品整理会社などのネットワークを作り、たとえば駅前の相談窓口に行けば、どんな相談内容でも直ちに専門家を紹介してもらえるというシステムだ。私はその件で、昨年は奈良に何回も通った。しかし、先月にある会社に取材して、あるひょんなきっかけから潜在的なニーズを知り、何の気負いもなく淡々と終活問題に取り組み、さまざまなアイデアと精力的な活動で難題をクリアしている姿を見て感動した。そのことを今回の記事で書いてみたいと思う。

永代供養を行うため09年3月に開設された「なごみ霊廟」の全景

その会社とは㈱墓地・墓石のヤシロ(本社・大阪府池田市)で、社名の通り、墓地や墓石の販売会社である。関西地方に住む人なら、浜村淳氏のテレビCMでお馴染みであると思う。葬儀業界においては、葬儀社→花屋→葬送品会社→仏壇・仏具会社→墓地・墓石会社などという流れがあり、墓地・墓石会社は最も“川下”にあると言われてきた。大体において葬儀社が中心になり、仏壇・仏具や墓地・墓石の仲介をしている。しかし、この会社はあることをきっかけに、家族葬ホールを作り、終活サポートセンターまで開設し、“川下”から一気に“川上”の、それも最先端まで駆け上がってきたのだ。そして、いま終活の諸問題と取り組み、ユニークな商品開発を行なっている。しかし、ここまで辿り着くまでには、厳しい紆余曲折があった。

ことの始まりは07年6月、大阪府池田市に「北摂津メモリアルパーク」を開園したことにあった。総面積10万8,000㎡で、2,500区画を擁し、2期計画としてさらに2,500区画の開発も想定した大事業であった。初年度は460区画が売れ、順調な滑り出しを見せた。しかし、その翌年に“リーマンショック”が全世界を襲うことになる。この霊園もその例に漏れず、09年にはほとんど販売が止まってしまうことになった。何か、打開策を考えなければならない。そこで社長の八城氏は、そのとき札幌市で話題になっていた5万円での永代供養墓を視察に行った。この永代供養墓とは、墓参りできないに代わってお寺が責任を持って永代に亘って供養と管理をしてもらう墓のことをいう。

八城社長は少子化や核家族化の影響で、継承者のない墓が増えていることは知っていた。また、いずれ永代供養を導入しようと納骨堂など施設も一応、霊園内に作ってはいた。ただ、現実的にその件に関しては、一歩も踏み出していなかったのである。しかし、札幌の事例を見て「これしかない」と心を決めた。これまで霊園を開発すれば、墓地や墓石が売れていたので、何も考えなくてもやってこられた。しかし、墓地の販売がストップして、初めて真剣に墓地や墓石の将来について考えてみた。するとそこには、墓地も墓石も必要としない人たちが存在していたというわけだ。

「なごみ霊廟」の正面に設置された千手観音像と墓銘板

同社が始めることになった永代供養の方法は、5万円で1年間、遺骨を預かって供養し、その後は合祀するというシステムであった。その間、遺骨は近代的な納骨堂に安置され、月に1度、僧侶によって法要が行われる。5万円でここまでしてもらえば、十分に満足できる丁重さである。もちろん、5万円では採算が取れないが、とにかく人に来てもらいたいという一心で、09年3月に「5万円の永代供養」を敢行したのだ。そして、ここから意外な展開が始まることになる。まず、同社ではCMを担当してもらっている浜村淳氏に依頼し、毎日放送のラジオ番組「おはよう浜村淳です」(月~土、8:00~10:00)で取り上げてもらった。

この番組は高齢者のヘビーリスナーが多く、「5万円の永代供養」はその人たちの“ニーズのツボ”にヒットした。その結果、初年度には1,500件を超える問い合わせがあったという。フリーダイヤルの回線を従来の4回線から8回線に増やしても、対応できないくらいの反響があった。採算を度返しして敢行した窮余の一策が、潜在していた永代供養という巨大なニーズを掘り起こすことになったわけである。つまり、困りに困って放った矢が、思いがけない“宝の山”に当たってしまったわけである。これには同社も驚いた。そこで初年度は、霊園も含めテレビ・ラジオ、インターネット、折込などで広告を全面展開することになる。

そこで実証されたのは、この現象が一時的なものではないということだった。2年目以降はさらに問い合わせ件数が増え、2,500~3,000件に達するまでになった。具体的に、集計データを見ていくと最近3年間(10~12年)の問い合わせ件数は、2,999件→2,471件→2,879件。そのうち契約数は、498件→712件→1,127件と急増している。さらに、反響はそれだけに留まらなかった。それまで売れなかった墓地にも波及し、同じく永代供養を初めて以降の(10~12年)の墓地契約数を見ると、一般墓地が197件→210件→260件。期限付き墓地は129件→162件→230件という相乗効果をもたらしたのだ。

近代的なデザインの「なごみ霊廟」の中に安置された遺骨

その間、同社でも様々な工夫をして、新たなニーズに対応しようと努力をした。期限付き墓地という発想もその1つだ。たとえば、夫婦なら後に残った人が亡くなって何年後かに合祀され、永代供養が行われるというシステムになっている。さらには永代供養墓である樹木葬の「さくら」、ゆったりとした空間の芝生墓地「きらら」といった商品も開発されている。その結果、すでに2,500区画のうち2,000区画が契約され、今年中には所期の目標をクリアし、2期工事(2,500区画)の申請ができるまでになった。

こうした経験を通して、同社は葬儀や納骨に関して、新たなニーズがあることを知った。そして、真剣に顧客の声を聞き、そのニーズを形にして提案することの重要性に気づいたのだ。12年6月には、永代供養と家族葬をセットにした「あんしん50」を開発した。これはお骨引き取りパックを始めたとき、「葬式もやってもらえないか」という要望を受けたものだ。これは、永代供養を5万円、30人までの家族葬を45万円(仏事費用、食事代別)の計50万円で行なうというもの。つまり、「葬儀」「永代供養」「納骨」まで同社が責任を持って遂行する一貫システムだ。そのため、霊園内に家族葬ホールを作り、葬儀事業にまで乗り出すことになる。

さらに、葬儀や納骨以外にも様々な悩みがあることを知り、新たに「ヤシロ終活サポートセンター」を設立。昨年11月から終活セミナーを始め、ファイナンシャルプランナーや行政書士、遺品整理会社などと連携し、トータルサポート体制の構築を目指している。その第1弾として企画したのが、葬儀、永代供養、遺品整理、死後事務委任契約までをパッケージにした「小規模短期保険」を利用した新たな展開だ。ひとり暮らしのお年寄りなど、この保険を使えば、死後の処理はすべて同社が引き受けてくれる。今後もさらなる新サービスや商品が開発されてくることだろう。私たちの日常生活から、「死」が遠ざけられて久しくなる。しかし、前回の中村先生の受け売りではないが、人間は生殖期を過ぎたら(男性60歳、女性55歳くらい)、“いかに死ぬか”が大きなテーマとなる。死後に憂いをのこしたくなかったら、その前にトラブルとなりうることを回避しなくてはならない。

「なごみ霊廟」での永代供養をアピールした霊園への送迎バス

それは、すべて具体的な決断と行動が伴う。決して“タブー”なんて言っておれない時代となったのである。核家族化が進行している現在、親を送ったように、自分も同じように送ってもらえると思ったら大間違いだ。またその死に方には、尊厳死や葬儀方法など、自分の意思を反映させることも大切だ。終活セミナーを聞いていたら、家庭裁判所への相続関係の相談数は、98年の7.6万件に対して08年は15.9万件と、この10年で倍増しているという。具体的には、「私のところは財産がないから大丈夫」と言っているところが危ない。実際、たかだか数十万円をめぐっての争議が数多く起こっている。また3~5年前に相談しておれば、その多くはトラブルを避けられたという。「死」を具体的に考え、「死後」の対策を考えておくことの重要性はここにある。その意味でヤシロの取り組みは、具体的すぎて引く人もいると思うが、これが現在における「死」の実像であると私は思う。

「死」というと、私は「メメント・モリ」(死を想え)という言葉を思い出す。インドから帰って、藤原新也氏という作家を知り、ずっと読み続けてきた。しかし、小説を書き出してから読むのを止めてしまった。その思い込みが鼻についたからだ。ところが昨年10月、古本屋でたまたま『渋谷』(東京書籍、2006年)を見つけて読んで痛く感動した。それは藤原氏が若者と真剣に向き合っている態度に、この人の変わらない求道的な姿勢を感じたからだ。この時代においては“真剣すぎる変なおっさん”であるが、年をとっても常に新たな“人間現象”に鼻をヒクヒクとさせている、犬のような69歳に感服したのである。

死体を食う犬の写真を表紙にした『黄泉の犬』(藤原新也著、文藝春秋、2006年)

それから、まだ読んでいない氏の著作をアマゾンで取り寄せて、読み始めた。その中で最も印象深かったのは、『黄泉の犬』(文藝春秋、2006年)であった。これはオーム真理教の深層を追いながら、自身のインド体験を対比させるという実に興味深いテーマの著作であった。これまで氏のインド放浪の概要は読んで知っていたが、この本ではどこで誰と会い、どのような体験をし、何を思ったが具体的に書かれている。実に深い本だ。ここに藤原氏の体験と思索のすべてが詰まっていると思う。3回は読み返さないといけないだろうが、私の心に残った言葉は、次のようなものだ。

「即身成物(中略)人は死んだら、ただのモノになるのだ、という観想」
「世界はマーヤ(幻影)だという考え方がある。それは最初にインドのある聖者が唱えた世界観だ。現世はもとより来世も、聖も俗も、善も悪も、悟りも迷妄も、そして解脱による真我さえも、それはマーヤ(幻影)であり、ひとしずくの夢である、と。地球が燃え尽きたところからはじまるように、あらゆる存在や価値はあらかじめ燃えつきた灰の上に咲く徒花に過ぎない、と。それゆえに、世界はこよなく癒(やす)らかなのだ、と」(括弧内は筆者の補注)。つまり、自分やそれを取り巻く世界という存在は一時(いっとき)の幻影であることを知れば、この世のすべてが自然法則の上に踊っていて、微笑ましいものであると私は解釈した。これは天空の上から見たこの世の姿かもしれない。

そして、人は死ねばモノとなるし、その残された骨もいずれは粉になって溶けてしまう。そのつかの間の“幻影の時間”を、人間たちはどのように過ごすのか。それは天から与えられた個々によって異なる限られた時間であるだけに、“起承転結”を付けた面白いドラマ仕立てにしたいものだ。とくに私の場合、これまで怠けてきただけに、これから“転と結”を同時に演じながら終末に辿りつかねばならない。まだ、骨は水々しくしっかりとしているが、これからまさに“粉骨砕身”の作業をしなければ、自分の気に入るような粉に仕上げることはできないだろう。人間の枯れ方も、大きな見せ所である。(佐渡屋太郎)

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