遊技租界 『佐渡屋太郎のパチンコ商売道日記』

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さらば佐渡のかもめ【佐渡屋太郎-vol.152】

写真番号=直江津港と佐渡の小木港の間を就航してしている「こがね丸」(9500トン)


 いまは9月26日(土)の20時05分。また、佐渡へ帰ってきた。その結果、わが引越しも、やっと一応の結末を迎えることができた。この間、いろいろご迷惑をお掛けした関係者各位には、心からの謝意と御礼を捧げたい。皆様の寛容なお心により、不肖・佐渡屋太郎の企てた馬鹿げた一大事業は見事、“完遂”の大団円を迎えることができました。

 これは手前勝手に言わせてもらえば、一重にこの1点に命を賭けた佐渡屋太郎の“執念”と、それを温かく見守りつつ協力を惜しまなかった皆様の寛大な心が成し得た“夢のコラボレーション”というべきドラマであったと思います。この一連の“騒動”を通して、私は何と素晴らしい人たちに囲まれているのだろうと心が打ち震えました。その感謝の心を胸に、これからの人生を歩んでいくことにいたします。

 と、母親をはじめとした関係者にこの言葉を捧げておきたい。しかし、1ヵ月に2回も会いに行ったのだから、見上げた“親孝行息子”ではないか。さらに年とともに弱っていく母に対し、“怒り”(いかり)によって本来の“強気な母親”を蘇らせた功績も大きい。お互いに文句を言い合いながら過ごした時間は、後で思い返せば非常に貴重なものとなるだろう。私が高校生であった頃の母子関係に、タイムスリップしたような数日間だった。

 それにしても、いろんなことを考えさせられた引越しであった。これは私にとって、1つの“転機”と言えるかもしれない。今年は京都の“拠点”の外装工事に始まり、事務所の移転、息子の引越し、そして今まで恐れていた京都の“拠点”の引越しと、移転続きの半年だった。これは何かおかしいとY嬢に運勢を見てもらったら、今年の私は“準備運”であるという。来年からまた新しい展開が始まるのだろうか。そう考えると、心が弾んでくる。今年はせいぜい“身辺整理”に精を出すことにしよう。

写真キャプション=船のなかで試合の反省会をする佐渡高校野球の部員たち


 さて、今回の佐渡行きはいろんな面白いことがあった。まず、行きの船で佐渡高校の野球部と一緒になった。直江津の船着場で「山菜そば」を食べていたら、その横をユニフォーム姿の佐渡高校の選手が通り過ぎていくではないか。それを見た蕎麦屋のおっさんは「あれは佐渡で一番の進学校で、野球も去年は県予選で準優勝したくらい強い。文武両道の立派な高校だ」と周りのおばちゃんたちに説明していた。大した物知りで立派な見識を持ったおっさんである。OBの1人として、佐渡屋太郎はおいしい「山菜そば」とともに、その有難い言葉を噛みしめさせてもらった。

 船の中のトイレで数人の選手にあったので、いろいろと聞いてみた。まず、第一の関心は昨年712球を1人で投げ抜いた中河君のその後の動向だ。彼は現在、國學院大學に進学し、野球を続けているという。いま調べてみたら、國學院大學の野球部は東都大学1部リーグに属して、頑張っているようだ。選手名簿を見てみたら、「中河達哉、経済1(年)、佐渡、180・86、右右」とあり、まだ背番号はないようだ。今後の活躍を祈っている。佐渡高校自体は今春の予選は1回戦負けで、秋の大会はベスト8に入ったそうだ。こうしてみると、中河君の力を改めて感じざるを得ない。

 しかし、朴訥とした“田舎っ子”らしさが漂う我がかわいい後輩たちであった。真っ黒な顔に髭だらけの不気味なおっさんに突然、話しかけられてさぞ驚いたことであろう。何を隠そう、その変なおっさんこそは君たちの先輩で、昨年は決勝戦の新聞を読んで涙した佐渡屋太郎なのである。いまは故(ゆえ)あって、馬鹿な引越しのために再度、佐渡に渡ろうとしている。しかし、私はいつまでも君たちのファンであり続ける。だから、君たちも私のところに情報が入ってくるような活躍をしてもらいたい。これも1つの運命的な出会いであった。

写真キャプション=軽トラに積み込んだ京都から最後に送った荷物


 さて佐渡での作業だが、多くの荷物はあったが、作業は順調に進んだ。1年で最も忙しい稲刈りをしているM兄から半ば強引に軽トラを借り、今回は自宅に送った荷物をせっせと“畑の家”に運んだ。聞けばM兄は10町歩に及ぶ田んぼの稲刈りをするのだという。調べてみると1町歩は3000坪であるので、3万坪の稲刈りとなる。私にとっての換算の仕方は、いま郊外にある大型ホールが1つあたり1000坪だから、30ホール分ということになる。それにしても気の遠くなるような広さだ。これを機械に乗って、1ヵ月で刈り上げるという。盆休みに行ったときと目つきが違っていた。それも当然だろう。年に1度のまさに“書き入れ時”なのだ。

写真キャプション=母親からの命令によりカーテンが取り付けらた本棚


 私の作業における唯一の誤算は、“カーテン付け”だった。本に埃(ほこり)が付くので、本棚にカーテンを付けろという命令が、強気になった母親から下ったのだ。これまでは、本棚の上に“重し”を乗せて、カーテンを留めていたようだ。それをきちんとした形にしろという。こういうことは私の得意科目で、カーテンレールを本棚の長さに切って、超強力両面テープで貼り付ける方法を考え付いた。その買出しに母親と行ったら、いろんな買い物につき合わされ、その作業にまる1日も掛かってしまった。しかし、この作業は楽しかった。いろんな物を貯め込むことと細かい作業が好きなことは、今は亡き父親譲りであるようだ。「あなたはお父さんとそっくりだ」と罵倒されたが、亡き父に再会させてやった佐渡屋太郎の功績は実に大きい。その有難さは時間が経つと分かってくるだろう。

写真キャプション=見事な形で飛ぶカモメ


 さて、今回の記事で紹介したかったのは、実を言うと“カモメ”である。帰りの船では、カモメの写真を撮りまくった。カメラを持って久しぶりに興奮した。佐渡の小木港にいるカモメたちが、乗船客がやる「かっぱえびせん」に釣られて、船にずっと付いてくるのは数年前からずっと見ていた。以前にも書いたが、私は小学生の頃から高校に入る前まで、鳩を飼っていた。最盛期には20羽以上もいて、大軍団を形成していた。鳩は群れが好きで、より大きな集団に入ってくる。これを“釣る”という。佐渡の上空を通るレース鳩や近くで飼っている鳩たちが、よく我が鳩軍団に釣られてきた。つまり、我が軍団の仲間に入ってくるのだ。それを鳩仲間に売ってエサ代にしたり、新しい鳩を飼うための費用にした。

写真キャプション=風を羽でうまく調整して平行飛行するカモメ


 レース鳩には足輪が付いていて、どこで飼われていたかが分かる。なかには、北九州や大阪の鳩もいた。小学生の頃は、そんな鳩を高校生に高く売りつけるのが楽しみだった。レース鳩の肩の盛り上がりは実に見事なものである。それを佐渡産の鳩と掛け合わせて、優秀な鳩を産ませるのも楽しみの1つだった。その頃、佐渡屋太郎は鳥になりたかった。群れの先頭に立って飛ぶ“ボス”になって、思いっきり空を飛んでみたかった。当時は毎日、空ばかり見ていたような気がする。その頃は隼(はやぶさ)の飛び方に憧れていた。

写真キャプション=よく見るとかわいい表情をしているカモメの幼鳥


 そんな観点で言うと、カモメもなかなかのものである。あの翼の形は実に美しい。獰猛で、根性が悪いカモメの性格は知っているが、飛ぶ姿の美しさには見惚(と)れてしまう。今回は2袋も「かっぱえびせん」を買い込んで、カモメに餌をやり続けるおねーちゃんがいたので、その近くでずっとカモメの写真を撮っていた。その写真を見てもらいたい。今回の記事はそのためだけに、書いたようなものだ。もう、終電の時間になったのでこれくらいにする。

写真キャプション=こんな飛び方をみると、自分も縦横無尽に海の上を飛んでみたくなる


 最後に、この前にあった“猪八戒”の記事を佐渡から帰った直後に読んだが、私は鳩山首相CO225%削減”を支持する。“鳩好き”だから言うのではないが、あまり官僚の出す恣意的な数字を信じてはいけない。大切なのは手段ではなく、理念である。そこを履き違えた議論はもういい加減にしてほしいと、いろんなことを見て感じる昨今である。(佐渡屋太郎)

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