遊技租界 『佐渡屋太郎のパチンコ商売道日記』

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大阪に「冬ソナ2」の専門店が誕生(3)【佐渡屋太郎-vol.86】

写真キャプション=「冬ソナ2」のボードに仕込まれたポラリスのネオン演出

 いまは4月17日(木)の20時30分。昨日はついに、“総台数1840台”の「京一七条店」へ視察に行ってきた。実に、凄いスケールであった。その件に関して、資料や情報を収集しているので、もう少し待ってほしい。その前に、この「冬ソナ2」専門ホールの原稿を、完結させなくてはならない。これまで同店に関しては、出店の背景、営業戦略と見てきた。そこで、いよいよ最終回となる今回は、個人的にも興味があるホール演出に焦点を絞って、紹介していくことにしよう。

 ここでは顧客がこのホールにアプローチする順に、各所の工夫を見ていくことにする。まず、建物の外観には「冬ソナ」の写真入りの懸垂幕と、その両側に写真パネルが掲げられている(1回目の写真参照)。これは、“ホールの外へのアピール”ということで、経営する㈱播磨屋では、非常に重視していた。また、私自身も新規客、スリープ客、他店客へのアプローチということで、とても注目していたのだ。客層のパイを拡げるには、外へ向けて情報を発信する必要があるからだ。

 実は、この懸垂幕には個人的な因縁がある。オープンした4月10日(木)15時の取材時には懸垂幕は間に合わず、その夜に取り付けられたのだ。そのため私は翌日、この懸垂幕を撮影するためだけに、再度「あびこ」まで行かなければならなかった。実はその日はちょうど、パチンコ雑誌の原稿締切日であった。

写真キャプション=スポットライトに浮かび上がるホワイトリーフと色玉

 しかし行ってみて、少しがっかりした。想像していたものより、随分と小さかったし、おまけに片方しか懸かっていない。道路の向こう側から見ると、全然目に入ってこないのだ。できれば、ビルの壁面を覆う尽くすような懸垂幕が欲しかった。費用の面もあるだろうが、コテコテのあびこの街には、もっと徹底した“いちびり”が必要だ。中途半端が1番いけない

 次に、ホールに入るメイン動線は、2階までのエスカレーターになる。この他にもエレベーターと階段はあるが、こちらはどちらかと言うと“帰り用”の動線となる。その壁面には、「冬ソナ」のポスターが1枚だけ貼られてあった。これも弱いと言わざるを得ない。顧客への訴求としては、何と言っても「はりまやが『冬ソナ専門店』(137台)をオープン」したのを伝えることにある。このポスターをエレベーター沿いに20枚は貼って欲しかった。これは、顧客への“専門店”の意識付けとして、是非とも必要である

 エスカレーターを上がると、2階ホールのエントランスとなる。ドアを開けると、いきなり「冬ソナ2」のロゴボードと数々の写真パネルが掲げられている(1回目の写真参照)。これは、来店客にとっては大きなインパクトで、外界から「冬ソナ」の世界に入る1つの“結界”の役目を果している。欲を言えば、エントランスのドアである。折角、白く塗ったのなら、周りに樹氷やポラリスのネオンを付け、「『冬ソナ』の世界へ、ようこそ(ハートマーク)」くらいの看板は必要だろう。

写真キャプション=色玉を効果的に使い、ポラリスを浮かび上がらせた大胆な島上演出

 このホールのコンセプトは社内だけでなく、外に向けてアピールしなくてはならない。くどいようだが、大阪の“おばちゃん”は豹柄の服を着ていても、心は“ロマンチスト”なのである。はやり礼儀として、真っ赤なハートマークの1つくらいは、純白の看板装飾のなかに必要だろう。清純な“恋愛の世界”に酔いたくて、このホールにやってきてくれるのだ。“バーチャルな異空間”への入口を通過することによって、大阪の“おばちゃん”は、自らの意識を“チョン・ユジン”(チェ・ジウ)へと異化させていくのだ。これを学術用語で“通過儀礼”という。

 ホール内の演出に関しては、島上の装飾がメインになる。ハートマーク、雪だるま、ポラリス、樹氷など、各ギミックをモチーフに、“白”を基調にした大胆で幻想的な装飾グッズが並べられている。中心となるのは樹氷を模したホワイトリーフだが、それだけでは華やかさに欠けるので、淡色の色玉を入れてアクセントを付けたのだろう。また、照明も少し落とし加減にして、スポットライトを島上装飾グッズに当てていた。こうすると、ホワイトリーフが照明で浮き上がり、輝くように見える。

 ホール内演出の2つ目のポイントは、共用スペースの徹底したイメージ作りが挙げられる。まず、ホール内にある2ヵ所のレストコーナーには白いベンチが置かれている。とくに大きい方のレストスーペースには、ホワイトリーフを付けた木まで立てるという凝りようだった。また、トイレのドアにはジュンサンとユジンのポスターが貼られていたのをはじめ、ホール内の各所に「冬ソナ」の写真パネルが掲げられている(2回目の写真参照)。さらに、すべての椅子にも「冬ソナ」の写真入りの椅子カバーを付けるという徹底振りだった。

写真キャプション=「冬ソナ」グッズを取り揃えて陳列する景品ケース

 これでホール内の温度を少し下げてひんやりとさせれば、まさにこの空間は“冬”となり、外界とは隔絶されたバーチャルな世界となる(少し、やりすぎだろうか)。10年くらいまえには、多くのホールでパチスロを増台するとともに、パチスロ専用コーナーを作ったものだ。パチンココーナーとの差別化を図るために、ラスベガス風に照明を落としたり、アール島を作って雰囲気を作った。また、店内にシーサーやハイビスカスなどを置き、沖縄のモチーフで埋め尽くした「沖スロ専門店」というのもあった。そのホールではスタッフは全員、「海人(ウミンチュー)」のTシャツを着ていた。そんな延長線上で、この専門店を考えればいいのだろうか。
写真キャプション=景品コーナーには女性用の装飾品も取り揃えられている

 そうならば、「冬ソナ」風のコスプレがあってもいい。たとえば“ヨン様ヘア”や、「冬ソナ2」の新たな映像となった高校生時代の学生服姿も面白い(少し、個人的な趣味に走り過ぎたかも知れない)。また、イベントにはヨン様の“そっくりサン”を呼ぶという手もある。この「冬ソナ2専門店が今後、どのような演出作戦を考えるのか。これも定点観測を続ける価値がありそうだ佐渡屋太郎)。
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