遊技租界 『佐渡屋太郎のパチンコ商売道日記』

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2011年04月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年06月

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どんどん拡がる“節電エリア”【佐渡屋太郎-vol.210】

写真キャプション=モノレールの万博公園駅を下りると、姿を現す巨大なモニュメント


いまは11年5月16日(月)の19時50分。やっと、パチンコ雑誌6月号の原稿書きが終わった。今回、私のメイン記事は、前回のブログでも書いた㈱メリテックの“節電支援”の記事であった。久しぶりに、相手とがっちりと組み合った気持ちのいい仕事ができた。相手の心意気も感じたし、この試みが困っているホールの助けになるという趣旨にも共感できた。以前は、こんな元気のある会社が一杯あって、毎月のように喧々諤々(けんけんがくがく)の打ち合わせをしながら、記事を書いていたものだ。しかし、そんな会社も近頃では、めっきり減ってきた。

さて、今回は記事を書くために、いろんなことを調べて、驚いたことがいくつかあった。そこで、個人的な驚きを今回のブログのテーマにしようと考えた。まず、1つ目は、新潟県にある東京電力の「柏崎刈谷原子力発電所」が、“世界最大規模”の原子力発電所であることを知ったこと。同発電所は1号機から7号機までを持ち、ウィキペディアによると「7号機が営業運転を開始した97年7月2日時点で、それまで最大だったカナダのブルース原子力発電所を抜いて、世界最大の原子力発電所となった」とある。

その紹介番組をTVで見ているとき、同原発の地図の上に佐渡島があってびっくりした。地図で測ってみたら、柏崎から佐渡の赤泊まで、直線距離で58kmくらいであった。米国の基準なら、避難エリアになるくらいの近さである。いつの間にこんなものができたのであろうか。新潟県は東北電力管内で、多くの県民はその恩恵に預かっていない。ちょうど、福島第一原発と同じような関係になる。

写真キャプション=何回見ても偉大な作品であると思う。佐渡屋太郎は大きいものが大好きで、大きいものを見ると文句なく感動する


今回の東電の無策振りを見ると、日ごろは鈍感な私でも不安になってしまう。以前、車で佐渡に帰っていたときは、「親不知」(おやしらず)から糸魚川、直江津の海岸線沿いの風景を見ながら走った。そこには日本海側独特の、懐かしい漁村の風景が続いていた。その先にあるのが柏崎だ。この海は何としても守らなければならない。昔、柏崎から私の町の警察署に署長が転勤してきた。その息子が私より1つ年上で、いつも暗くなるまで一緒に野球をしていた。だから、柏崎という地名には懐かしい響きがある。その彼もいつの間にかいなくなってしまった。

2つ目の驚きは、東電管内のホール数の多さである。管内のエリアは、関東地方と静岡県の富士川以東ということであった。ちょうど今年の「風営白書」が出たので、その22年12月における各党道府県のホールを基に計算してみた。その結果、東京都=1133店、茨城県=329店、栃木県=259店、群馬県=251店、埼玉県=659店、千葉県=519店、神奈川県=670店、山梨県=82店、静岡県(富士川以東)=144店で、合計すると4043店となる。

全国のホール数は1万2479店であるから、東電管内のホールは全体の32.4%に当たる。つまり、ホール業界における1/3の店舗が、東電管内に集中しているわけだ。そして今回、それらホールは「ホール5団体代表者会議」の合意により、月に3回以上の“輪番休業”を、7月1日から9月30日まで実施することになった。これはホール業界全体にとって、決して小さくはない営業的な打撃である。

写真キャプション=下から見上げると、その迫力に圧倒される。ちなみに、「太陽の塔」には腋毛はなかった


さらに、浜岡原発の停止措置により、その影響は中部電力管内、さらにその減少分を補給する関西電力管内にも及んでいる。そこで中部電力管内のホール数を、同様な方法で計算してみる。その結果は、静岡県(富士川以西)=242店、愛知県=712店、長野県=236店、岐阜県=232店、三重県=163店で、合計すると1349店となり、全ホールの10.8%を占める。一方、関西電力管内は、滋賀県=142店、京都府=219店、大阪府=969店、兵庫県=466店、奈良県=108店、和歌山県=108店で、全ホールの16.1%となる。

つまり、当初は東電管内という1部のエリアの問題と思っていたが、これが何と全ホールの1/3に及ぶ影響の大きさに驚いた。次に、まだ“輪番休業”という措置は取られていないが、今夏に何らかの節電策が必要な中部・関西電力管内のホールは全体の26.9%で、東電分を合わせると、全体の59.3%で約6割に及ぶことが分った。

写真キャプション=昔、故岡本太郎氏はTVCMで「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」と言ったが、これは「太陽の塔」の裏側の顔である


また、東電の電気料17%アップが検討されているが、全国的に電気料が上がることは確かだろう。その意味で言えば、“節電”によって全ホールが何らかの影響を受けることになる。それでなくても苦しい経営を続けているホール業界にとって、顧客の消費意欲の冷え込みとともに、大きな打撃となることは必至だ。多くの被災者のことを思えば、そんなことを言っていられないが、外食産業をはじめ深刻な影響を受けている業界も多い。

そこで何回も言うようだが、まずは“節電”について、全ホールが考える必要がある。これも繰り返すが、電気料の経費の節減分は、ホールの純利益に相当する。真剣に“節電”というテーマに取り組めば、それなりの見返りも得られ、社会的な評価も高まる。この点をホール業界全体の課題として、早急に取り組む必要があると、記事を書きながら痛感した。東電の原発事故を契機として、エネルギーや電力に関する考え方が、大きな転換点に差し掛かっている。これは今後の世界にとって、実に重要なことであると思う。

写真キャプション=「ウメサオタダオ展」のポスター。この特別展は展示方法も凝っており、泣けるくらいに感動した。この世には本当に凄い人がおり、故梅棹先生には永遠に生きていてほしかった


今日は疲れもピークに達しているので、“節電”のために早く帰って寝ることにしたい。今回は、適当な写真がないので、5月7日(土)に民博の「ウメサオタダオ展」に行ったときに撮った、万博記念公園の写真を入れておく。「太陽の塔」は自然エネルギーの象徴とも言えるし、人類の新たな旅立ちを意味するようにも思えるが、これは私の勝手な“こじつけ”に過ぎない。(佐渡屋太郎)

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| 佐渡屋太郎の徒然日誌 | 23:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「デマンド自動制御装置」のレンタルシステムが始まった【佐渡屋太郎-vol.209】

写真キャプション=新緑の生気あふれる日高川の河畔に並んだ色とりどりのテント


いまは11年5月6日(金)の11時55分。5月1日(日)に月末締切り最後の原稿を書き上げ、5月2日(月)にはブログの原稿も書き、ついに5月3日(火)から2011年のGW(ゴールデンウィーク)に突入した。例年の通り、和歌山の御坊でキャンプをしたが、今年はいい釣り場を見つけたのが収穫だった。釣れても釣れなくてもいいのだ。仕掛けを作って釣り糸をたらして、のんびり海を眺めているだけでいい。そんな景色のいい釣り場が、キャンプ場から5キロのところにあった。来年からはもっと本格的な準備をして、“大物釣り”に挑戦してみたくなった。

そして、連休明けとなる今日の5月6日(金)は朝の10時から取材があった。我ながら勤勉な日々を送っていると思う。夜型である私のボケ頭は、午前中にはほとんど回っていない。しかし、“早起きは三文の得”であった。その取材で面白いことを聞いた。取材先は以前から付き合いのある㈱メリテックで、東京電力と東北電力管内のホールを対象に、節電機能を持つ「MEC-15」のレンタルシステムと、LED照明の45%引き販売を始めるという。同社は近畿キタック販売㈱のグループ会社で、エコ事業を中心に取り組むために10年1月に設立された。

同社はこれまでもエコに関して精力的な活動を展開してきたが、東日本大震災による“ホール節電”に協力するため、大きな決断を行なったのだ。その前に、前回取り上げたホール5団体代表者会議の“節電方針”にも、同社のアドバイスが反映されているという。そこで、その根拠を紹介したい。まず1つ目は、ホール節電のメインとなる“輪番休業”から見ていこう。東電管内の全使用電力に対して、管内の全ホールが使用する電力は平日で5%、土日は3.3%であるという。ただ、土日は工場などが休むため、ピークを迎えることはほとんどないそうだ。そこで平日1日の休業で5%、月に3回以上で15%以上の節電となる。

写真キャプション=堤防でガシラを釣って喜ぶ家族連れ


2つ目のポイントは、ホールで最も多くの電力(ホール全体の30%~40%)を使う空調である。これに対しては、エアコンの設定温度を2度上げるとしている。通常、設定温度を1度上げると、空調の使用電力を10%削減できると言われている。同社では、自動制御のよる通常の8割運転で10%削減、快適性を保持しながら20%の削減まで可能であるという。つまり、空調の電力を20%削減すれば、ホール全体の電力に対して、6%~8%の削減となるわけだ。

3つ目のポイントは照明で、ホール全体の使用電力の20%程度を占める。これに対しては、外壁照明・間接照明・自動販売機の照明の消灯、ホール内照明の50%間引きなどの対策を講じることになる。ホール照明の50%間引きだけで、ホール全体の10%近くの削減になるから、照明全体では10%以上の節電効果は確実にあるだろう。つまり、空調と照明によって13%以上という目標を掲げているが、実際には20%近くの効果が期待できるわけだ。

こうして、“輪番休業”=15%、空調と照明=13%以上、合わせて25%以上の節電という具体的な計画が出てきたわけだ。では、全体で25%という目標数値はどこから出てきたのか。例の石原都知事発言で、パチンコホールともに槍玉に上がった“自販機”については、社団法人全国清涼飲料工業会が4月15日、25%の電力削減を発表している。その数値にホール業界も横並びしたようだ。ちなみに、東電管内にある自販機は約87万台で、使用電力は約26万kW。東電の本年度電力供給目標5000万kWに対して、0.5%に相当するという。

写真キャプション=煙樹ヶ浜で釣りを楽しむ家族連れ


これに対してホールは東電管内に約4000軒あり、使用電力はピーク時で約84万kW。東電の供給目標に対して、1.68%に相当する。25%削減することによって、約21万kWの節電ができる。これがホール業界における節電の全体的な指標である。これまでホールにおいては、人力だけで10%の省エネが可能だと言われてきた。そのことと合わせて今回の件を考えると、常に後手に回っているホール業界の特質が見えてくるが、後ろを振り返ってみても仕方ない。先程も京都のホール業者から電話が掛かってきて、「もっとホールの味方になれ」と言われたばかりだ。

しかし、“味方”になる意味が違っている。業界内で傷を舐めあっていては、事態は一向に進展しない。やることはやって、言うことは言う業界になってもらいたい。その業者いわく、「俺の周りには、パチンコがなくなればいいと思っている人間は1人もいない」という。つくづく幸せな人だと思う。少し前までは、こんな業界人が多くを占めていた。では、なぜ客数が減っているのか。こうした“過信”が、どんどんホールを社会の中で浮き上がった存在にしてきた。

世の中にはいろんな考えの人がいる。そんな人達が集まっているのが“社会”である。もっと身の回りの“向こう”にいる人たちのことも視野に入れてほしい。それらの人たちを視野に入れて、業界全体が変わっていくことが、結果的に業界自体の成長につながっていくと、私は考えている。どちらの考えが正しいのかは、時間の経過が判定してくれるだろう。

さて、連休明けにも関わらず、いきなり難しい原稿になってきた。今の佐渡屋太郎は右翼団体から感謝され、ホール業界から非難されるという変な“立ち位置”になっているが、それも仕方ない。前フリがかなり永くなってしまったが、いよいよ本題に入っていくことにしよう。問題は、社会的な要請であるホールの“節電”を、どのようにして実現していくか。これが今回のテーマであった。それに対し、メリテックは自社の「MEC-15」のレンタルシステムを打ち出したのだ。

写真キャプション=デマンド監視と自動制御を行なう「MEC-15」のシステムモデル


この「MEC-15」は、デマンド監視装置+自動制御システムの機能を持つ。通常、「デマンド監視装置」は設定した最高使用電力量に近づくと、警報によって知らせてくれるという装置である。これまでは警報が鳴ると、ホールスタッフが空調を止めたり、照明の間引き消灯など人手で行なわなければならなかった。それに対し、「MEC-15」は最高電力量に近づくと、自動的に空調や照明の節電運転をする「ピークカット機能」や、年間を通してピーク電力を減らしていく「スケジュールシステム」を持つ。つまり、「MEC-15」を取り付けておけば、何をしなくても10%以上の節電が図れる装置なのである。

この「MEC-15」をホール規模や室外機の台数によって異なるが、月6万円~12万円で東京電力・東北電力管内のホールにレンタルするという大英断を㈱メリテックが下したのだ。「MEC-15」を導入した時点で、基本料金は下がるし、月12万円くらいは節電効果によって十分に相殺される。つまり、ほとんど初期投資なしで「デマンド監視自動制御装置」が導入できるわけだ。ただし、契約期間は2年で、工事費はホール負担、電力会社への申請もホール側が行なわなければならない。

写真キャプション=空調機や照明とつながって制御を行なう「MEC-15」のコントローラー


本来ならホールは少なくとも「デマンド監視装置」くらいは自発的に導入し、自ホールの消費電力量や省エネの取り組みなど、“即答”できる体制を作っておかなければならなかった。そうすれば、節電が叫ばれたとき、すでにホールではこのような形で省エネに取り組み、これだけの成果を上げていると堂々と説明することができた。先進的なホールではすでに3年も前から着手し、大きな成果も上げている。マルハンの取り組みはこのブログでも紹介したはずだ。しかし、これがホール業界全体となると、いきなりトーンダウンせざるを得なくなる。様々な業界問題における“共通の構図”が出てくるわけだ。

私の個人的な意見を述べさせてもらえば、少なくとも東電管内における「デマンド監視装置」未導入ホールのすべてに、この「MEC-15」を導入してもらいたい。今後は管内のホールが一致団結して、“節電協力”をアピールしていく必要がある。“攻撃は最大の防御”で、こうした積極的な対応が業界のイメージを大きく変えてくれる。今回の節電問題に関しては、使用電力量という“数値”が攻防の指標になる。

その場に、「デマンド監視装置」を持たずに臨むことは、兵隊が刀を持たずに戦場に行くことに等しい。電力会社から来る毎月の請求明細書を比較するという手もあるが、“数値”をしっかりと把握して、その“数値”によって節電効果をアピールするしかない。しかし、現在の多くのホールでは、その数値を把握する手段として、電力会社からの請求書しか持っていない。これでは節電の意志を疑われてしまう。減量しようという人が、体重計を持っていないのと同じだ。まず節電の基本は、「デマンド監視装置」を導入して、その実態や効果を計測するところから始まる。

写真キャプション=ホール内に設置されたライトビーム㈱のLEDのダウンライト


さらに、㈱メリテックのグループ会社であるライトビーム㈱はLED照明に関し、年内までの契約について、従来価格の45%引きにするという計画もスタートさせた。同社のLED照明の機能性については、パチンコ雑誌でも詳細に紹介した。照明はホールが最も手を付けやすい省エネ機材でもある。いまでは改装や新築のときには、必ずLED照明が選択肢に上がってくるようになった。しかも、LED照明は日進月歩の凄い勢いで、機能性向上と低価格化が進んでいる。パチンコ雑誌の10年4月号でライトビーム㈱のLED照明の記事を書いたが、今回1年ぶりで新製品を見せられて、その進歩に驚かされた。これらの件に関しては、パチンコ雑誌の6月号で書くことになっている。

写真キャプション=ホール内に設置されたライトビーム㈱のLEDのダウンライト


このブログで別に宣伝をする必要もないのだが、これまで付き合いのあった会社が、ホール業界の危機に際して立ち上がってくれたことを、佐渡屋太郎は“意気”に感じて、テーマに取り上げたわけだ。望むなら、もっと多くのエコ関連の会社が、ホール業界を助けるために立ち上がってもらいたい。もっと大幅な節電ができるホール用の機器や技術の蓄積があるはずだ。それがパチンコを支えてくれる関連業界の“底力”ではないかとも思う。

ただ残念に思うのは、エコに関しては何回も記事を書いてきたため、同じことを何回も言う元気が、すでに私の中でなくなっていることだ。本来なら、こうした時期にこそ燃え上がるべきエネルギーが、すでに枯渇しつつある。だから、過去の「エコレポート」を読んでもらうしかない。

今日、これだけの記事が書けたのは、前述した京都のホール業者の“おっさん”からの電話があったからだ。その意味では前近代的な“おっさん”に感謝したい。その言葉の1つひとつに対する嫌悪感と闘争心が、記事を書く原動力になった。後ろ向きになってアラを探すのか、前向きになって試練をチャンスと捉えるのか。どっちが業界にとって、成長になるのか。穴の中でウジャウジャというのではなく、「もっと正々堂々と、世間の人たちに物を言ったらいいのではないですか」と進言するしか私にはできない。そして「言ったら分ってもらえますよ」と、その“おっさん”に佐渡屋太郎は伝えたい。(佐渡屋太郎)

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| 佐渡屋太郎の徒然日誌 | 16:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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パチンコ業界の“節電方針”が出た【佐渡屋太郎-vol.208】

写真キャプション=相変わらず多くの顧客で賑わっていた「マルハンパチンコタワー渋谷」


いまは5月1日(日)の10時50分。昨夜は“完徹”して、月末締切りの最後の原稿を書き上げた。これでやっと和歌山に行って、毎年恒例のキャンプができる体勢となった。“苦労の先に喜びがある”という言葉をいま、心の中で噛み締めている。今年は天気があまり良くないようなので、釣りをメインにしようと思っている。過去に何回も経験があるのだが、キャンプの回数が増えるごとに、女性は嫌がる傾向が強くなる。

それを分析すると、女性はキャンプが本質的に嫌いで、炊事労働に嫌気が注(さ)すからであると思う。男性は変化を好み、女性は安定を好む。さらに言えば、炊事仕事は女性の日常であって、それから解放されることが旅行の目的でもある。したがって、キャンプで日常より面倒な炊事などしたくないのだ。その結果、今回のキャンプから佐渡屋太郎が料理も担当することになった。テントの設営、火起こし、調理など、ほとんど自作自演の世界となってしまった。

しかし、佐渡屋太郎は料理が嫌いではない。さらに、暗闇のなかで薪を燃やして炎を眺め、夜の風を感じながら酒を飲む。これほどの幸せがあるだろうか。今年は刺身、魚の煮付け、潮汁など、魚をメインにしたメニューで攻めることにしたい。そのため、これまでより1回り大きなアイスBOXも買い込んだ。気合が入っているのである。そして、昨夜から今日にかけて、原稿も書き上げた。あとは和歌山に突進するだけである。久にぶりに海をのんびり眺めることができる。そのことだけで心はバクバクと今から興奮している。

今日はこれから帰って寝て、明日にこのブログを完成させて送れば、任務完了である。しかし、今日のうちできることをやっておこうと頑張っているのだ。この健気(けなげ)な“男心”を、Y嬢にも分ってもらいたい。Y嬢は昨日から枚方の実家に帰り、今日の夕方に帰ってくる。その間に、キャンプの準備は着々と進行しているのであった。

写真キャプション=休日の営業時間短縮を告知する「マルハンパチンコタワー渋谷」の掲示板


そんな中、4月25日にパチンコ業界で大きな動きがあった。それはホール5団体代表会議が夏場の節電方針を発表したことだ。このホール5団体代表会とは、①全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連、理事長=原田實氏)、②社団法人日本遊技関連事業協会(日遊協、会長=深谷友尋氏)、③一般社団法人日本遊技産業経営者同友会(同友会、代表理事=高濱正敏氏)、④一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進、代表理事=宮脇磊介氏)、⑤一般社団法人パチンコ・チェーンストア協会(PCSA、代表理事=加藤英則氏)の代表で構成される会議のこと。この合意事項の方針を各団体に持ち帰り、さらに具体的な対策が決定されていくことになる。では、その合意事項を以下に掲載する。

写真キャプション=多くのファンで席が埋まっていた「ガイア渋谷駅前店」


東日本大震災による今夏の電力供給不足に対する対応について


東日本大震災により、今夏の東京電力管内の供給電力が需要電力に対して不足すると予想されていることから、当業界では、夏場の電力需要ピーク時の瞬間使用最大電力を削減するため、4月25日開催のホール5団体代表者会議で下記の通り合意した。



1.趣旨
東京電力管内において、今夏に電力供給不足が予想されることから、東京電力管内のホールにおいては、25%以上の電力削減を行う。

2.実施期間
平成23年7月1日から9月30日まで

3.実施事項
(1)ホールは月3回以上(平日)の輪番休業を実施し、15%を削減する。
(2)照明及び空調については13%以上の削減となるよう以下の項目を組み合わせて実施する。
  ア 外壁照明の終日消灯
  イ ネオン、看板、電光掲示板等照明の消灯
  ウ ホール内の間接照明を点けない。
  エ 自動販売機の照明を24時間消灯
  オ ホール内の照明を50%間引き
  カ エアコンの設定温度を2度上げる。
(3)その他LED照明への変更等に努める。

                           平成23年4月25日(以下略)

これがホール業界における節電対策の概要である。これを見て、ホール業界節電や営業停止を求める団体やパチンコをしない一般の人たちは、どのように感じたのであろうか。その点について1度、聞いてみたいと思っている。ただ、この情報が出た後にWebを見たら、これだけでは足りないという意見が多かった。連休明けに、日遊協へ節電計画を提案した会社へ取材にいくことになっている。そのとき、25%削減の根拠やこれら節電計画の有効性についても聞いて報告したい。

写真キャプション=自粛営業ながら高稼働を保持する「エスパス日拓渋谷」


ただ個人的に言えば、この“輪番休業”は業界内で以前から囁かれていたことだが、ついにそこまで踏み切ったかという少々の驚きがあった。東京電力管内には4000店のホールがあるというが、大きな営業損失を出しても節電に協力する姿勢を示したということだろう。逆に言えば、それだけホール業界に対する反発が強く、その声を無視することができなかったのかもしれない。

しかし、こうした“上意下達”は果たして、傘下の各ホールにまで徹底されるのかという不安もある。今回の合意事項は各団体に持ち帰られ、具体的な取り決めが行われていくことだろう。しかし、これまでの例から見ると、必ずその取り決めに従わないホールが出てくる。これがパチンコ業界の悲しい体質でもある。そして、そんな一部のホールのことがマスコミに取り上げられ、業界全体がさも“アウトロー集団”のような捉えられ方をされてきた。

今回の件に関しても、何らかのチェック機能が必要だろう。そうしないと、単なる口先だけのパフォーマンスとして捉えられる危険性がある。この節電に関しては、皆が協力して難局を乗り切ろうという雰囲気がすでに醸成されている。一方、その協力体制を阻害する対象に対しては、強い排斥や攻撃の力が働く。この点を甘く考えていると、ホールにとって致命的な結果を招くことも十分に予想される。一般の厳しい監視の目がホールに向けられていることを忘れてはならない。

この5団体の合意事項に関しては、今後の世論の動向をしばらく見ていくしかないだろう。ここからは少し余談になるが、以前に取材をして聞いたことを思い出した。それは、年間で使用電力のピークとなるのは、具体的にいつかという話である。それは8月に行われる高校野球決勝戦の時間帯であるという。とくに、この時間帯は注意する必要がある。それなら、電力量に関して需要量が供給量を超えそうになったとき、TVなどで地震速報のような警報を発するという手もあるような気がする。その間の1時間は冷房を止め、再起動させるときの地域ごとに指令を出して、デマンドが一気に上がるのを防ぐわけだ。

写真キャプション=「エスパス日拓」の店舗に掲示された営業自粛の掲示板


これはまさに「デマンド監視装置」の機能でもある。パチンコ雑誌で「エコレポート」を3年以上も書いている人間としては、なぜパチンコ台2~3台の金額で買える「デマンド監視装置」を各ホールが導入しないのか疑問でならない。これがあれば、使用電力のピークも警報によって抑えられるし、どれだけ使用電力を削減したかも一目瞭然で知ることができる。これは大量電力を使用するパチンコホールとして、当然の義務ではないだろうか。そんな基本的なことを御座(おざ)なりにしているから、こうした事態に右往左往することになる。

石原都知事からパチンコとともに名指しの指摘を受けた自動販売機に関しては、即時に現在の自販機が省エネ構造になっていることと、夏場の電力需要ピーク時に冷却運転を止める対策を取っていることを説明した。これに対し、ホール業界では自粛の内容は伝えたが、現状については「正確な消費電力を把握し、我々の努力を社会に知らせたい」というコメントに留まっている。

それまで省エネに真剣に取り組み、削減の努力を続けているのであれば、その実績を堂々と発表し、さらに緊急事態ではあと空調と照明で●%の削減は可能だという明確な返答ができたはずだ。これこそ、ホール業界が省エネに真剣に取り組んでいる格好のアピールの場になったはずである。何事も指摘や糾弾させないと動かない業界は、いつも“悪者”になり、しかも高い代償を払うことになる。

あと1つ、この前に週刊誌を読んでいて、驚くような記述に出会った。それは『週刊文春』4月21日号で椎名誠氏が連載している「風まかせ赤マント」の中の文章である。同氏の全著作を読み、青春時代と中年時代を随分と年下ではあるが、ともに歩んできたと一方的に思っている佐渡屋太郎は、いささか複雑な思いを抱いてしまった。その文章とは、「晴天の日の日没一時間前の太陽光は1000ルクスで、それでもまだそうとうな明るさだ。人工の光でこれと対抗しているのがパチンコ屋の店内でなんと1000ルクス。まさに神をも恐れぬ電力消費量だ」というものだった。

椎名氏はパチンコもしない自然派の人である。だから、“パチンコ屋”に対する思いも、長い付き合いだからよく分る。結局、パチンコをしない一般の人たちは、ホールのことをこんな風に見ているのである。競合店との激烈な戦いが、いつの間にかホールの視野を狭め、一般社会から遊離した独善的な方向に走っていたことは否定できない。

しかし、そうした明るい店内が落ち込んだ人々の心を明るくさせ、心を癒してきた面があることも確かである。震災後、常連客がホールで再開し、お互いの無事を知って抱き合って号泣したというエピソードもある。これまで暗いディズニーランドがなかったように、暗いパチンコホールもなかった。それがエンターテインメント産業の役割であった。しかし、このような事態になって、考え直さなければならない部分も確かにある。

写真キャプション=多くの顧客で賑わうホールがある一方、渋谷の駅前で行なわれた“節電署名”の運動


今後、パチンコができるようになって、初めて平和や平安の有難さを知る人もいるのではないか。パチンコをすることによって、元気や癒しを得る人もいるはずだ。確かにパチンコ産業は、生活必需品を生み出す産業ではない。いまは生活の復興が最優先課題である。しかし、その復興が進んだとき、椎名氏の言うところの「パチンコ屋の灯」が、街の“再生のシンボル”になることもあるような気がする。所詮、パチンコ屋なんかそんな存在である。しかし、そんなパチンコ屋に通って、多くの人がこれまで人生を生きてきたのだ。

そんな気持ちを、ホール関係者の多くは持っている。また、持っていてほしい。さらに、そんなパチンコホールであってほしい。そんな存在であったからこそ、70年にわたってパチンコホールは、街にあり続けてきたのである。今日は、原稿が終わった開放感と“昼酒”のきつい利きによって、つい本音が出てしまった。記事の内容にあった写真がないので、4月3日(日)に“節電署名”の取材に行ったときに撮った、渋谷の代表的なホールの写真を掲載する。その日のこれらホールは、多くのファンで満杯であった。この現象をどのように考えたらいいのだろうか。(佐渡屋太郎)

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