遊技租界 『佐渡屋太郎のパチンコ商売道日記』

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ぱちんこ情熱リーグ決勝大会-6(ARROW浪速店)【佐渡屋太郎-vol.203】

写真キャプション=大阪・難波の南方に立地し、大阪を代表する“巨艦店”である「ARROW浪速店」


いまは3月9日(水)の18時45分。目下、パチンコ雑誌の原稿書きの最中であるが、煮詰まってきたので、このブログの原稿を書き始めた。何せ、この前にマックスアリーナの記事を意外にすんなりと書き、いよいよ決勝大会レポートも最終回となっている。いわば、第3コーナーを回って加速が付き、ついにバックストレッチに差し掛かったわけだ。これで力が入らなかったら、まともな人間ではない。馬でも興奮して、手綱を引いて抑えるのがたいへんなくらいになる。

そこで本業の気分転換に、このシリーズに最後の“止(とど)め”を刺すことにした。能天気に見える佐渡屋太郎ではあるが、これでもいろんな重荷を抱えながら生きている。だから、背中の荷物を1つでも降ろして楽になりたいのである。逆に、このシリーズを抱えていると、他の新たなテーマについて書くことができないような心境になってきた。もっと早く気付けという声も聞こえるが、目の前に迫ってこないとなかなかその気にならないのが、私の悲しい性分でもある。

さて、いよいよ最後の出場チームとなる「ARROW浪速店」の出番となった。個人的に言うと、このチームが最も身近に感じられ、気になるホールであった。その理由は、このホールが事務所から歩いて5分くらいのところにあり、以前に通っていた飲み屋のすぐそばにあるからだ。だから、自分の息子とは言わないが、親戚の子供が何かのコンクールに出たような気分であった。いわば、大阪・元町のパチンコ村を代表するホールであると言ってもいい。

それどころか、この事務所周辺をウロついている酒飲みたちの多くが、「ARROW浪速店」の常連客である。よく愚痴も聞かされた。さらに個人的に言えば、私はこのホールができる2年前から、興味を持って追ってきた。出店地を巡る噂や憶測、前身であるボウリング場の「国際ボウル」が壊されていく姿も見たし、出店に至るまでの問題、出店してからの変則的な営業形態など、様々な試練があった。しかし、2004年にオープンして以来6年の歳月を経て、それらの問題を払拭し、いまや全国を代表するようなホールに成長したのだ。したがって、このホールの決勝大会への進出は、個人的にも大きな感慨があったのは確かだ。

写真キャプション=元気のいい発声を披露する「ARROW浪速店」チーム


ARROW浪速店」は、総台数1200台(P=768台、S=432台)を擁する“巨艦店”である。立地は、御堂筋から延長する国道25号線沿いで、650台収容の駐車場を持つ“半郊外店”と言っていいだろう。しかし、「なんば駅」から徒歩10分、最寄りの地下鉄御堂筋線「大国町駅」から徒歩5分という格好の立地にある。日本一の“パチンコ集積”がある千日前エリアを難波の中央拠点とすれば、この「ARROW浪速店」はそれに対極となる“難波の南拠点”であるといっても言い過ぎではない。

経営するのは、地元大手の平河興業(本社・大阪府八尾市)で、関西エリアに23店舗を擁する。さらに、難波エリアには07年12月、「ARROWナンバHIPS」(総台数1100台、P=791台、S=309台)をオープン。この6年のうちに難波においても“一大勢力”となり、見事に大阪市内への中央進出を果たしている。その基礎を築いたのが、何を隠そうこの「ARROW浪速店」での成功だったと言える。

しかし、大型繁盛店にも悩みはあった。それは多くの顧客の対応に追われ、十分な接客や顧客とのコミュニケーションが行なわれていないということだった。現況下においては、誠に贅沢な悩みと言えるが、「ARROW」というブランドの確立には、“接客力の向上”が必須条件であるというのが、会社の強い方針でもあった。

参考までに、同社の「経営理念」を挙げると、①社会のニーズに柔軟に対応し、信頼されるブランドを作り続けること、②時の流れと共に変化する社会に対し、その動向をキャッチするアンテナ(感性)を持つこと、③人を信頼できる関係性を築くこと、④人間関係の構築と満足感を共有すること、となっている。この理念の③と④が、同店のリーグでの取り組みに大きく結びついてくる。

さらに、同店には「店舗営業理念」というものもある。参考までにこれも掲げておくと、①お客様に安心してご遊技して頂くため、遊技台を含めた、設備の100%稼働を目指しています、②遊技台については、お客様の目に見えるセル盤はもちろん、台の裏のメンテナンスも重視します、③信頼されるスタッフの対応も重要です。接客力向上はもちろん、社会人としての人材育成につながるよう努めています、ということであった。しかし、同店の課題は前述の通り、“接客”にあった。営業成績はいいものの、接客に関しては同社22店舗(当時)のうち21位という惨憺たる成績であった。

写真キャプション=自分の変化を語る「ARROW浪速店」のスタッフ


同店は総台数1200台を擁し、大阪でも有数の高稼働店でもある。そのため、スタッフは箱の上げ下げや玉運びに追われ、接客まで手が回らないというのが現状だった。リーグへの参戦に当たって、最大のテーマとして掲げたのは“接客力の向上”であった。しかし、役職者や一部のスタッフは熱意を持って取り組んでいたが、全体的には盛り上がりに欠け、接客力も目に見えた向上はなかった。何しろ、同店には120名のスタッフがいる。“大所帯”ならではの意思統一の難しさがあったわけだ。

そこで、麻生義憲店長は“一大決心”をした。120名のスタッフ1人ひとりと会い、各自の意見や要望を聞き、さらに自分の思いを伝えて、協力をお願いしたのだ。その店長の思いとは同店における「風土改革」。これまでの“接客軽視”の現状を否定し、新たな“店舗風土”の構築に乗り出したわけだ。その新たな“風土”とは、「接客によってお客様を呼ぶ」という“接客重視”の具体的な目標であった。

ただ、すでにリーグは始まっているし、時間は限られている。しかも日常業務をこなしながら、120名のスタッフと話し合う時間を作るのは並大抵のことではない。多くのスタッフは、途中で挫折すると思っていたという。しかし、麻生店長は最後の1人まで、自分の思いを伝えることをやり切った。その必死な姿を見て、日ごろはチャラチャラしている店長が、この件に関しては“本気”になっていることを思い知った。

これがいまや伝説になっている“120人面接”であった。「ホールにとって良いことは何でもやっていこう」という方針のもと、1人ひとりのスタッフの意見を真剣に聞いていった。そして、その提案を実現に移すように最大限の努力を続けていった。また、自分の思いも各スタッフにぶつけ、「一緒にホールを変えていこう」と協力を求めたのだ。この真摯な態度が、120名の“大軍団”の意識を少しずつ変えていった。その結果、総合600満点で579点を上げ、2次予選をトップで通過して決勝大会に進出するまでになったのである。

写真キャプション=ホール改革の感動を胸に、4月から保育士となるアルバイトスタッフ


具体的な改革の1つは、全スタッフが満面の笑みでお客様に接し、「お客様から笑顔をいただこう」という運動だった。そのため、「スマイリーボックス」を事務所内に設置し、お客様から笑顔をもらったエピソードを募集した。さらに、そのスマイリーカードを朝礼で発表し、掲示板に貼り出した。そして、そのカードは次第に掲示板を埋め尽くしていったという。それは「ARROW浪速店」のなかに、顧客とスタッフの笑顔が増え、互いのコミュニケーションが深まっていくバロメーターにもなった。

“大軍団”の先頭に立ち、改革の風を自ら起こしていった麻生店長はステージの上で、「いまに見とれ、浪速店は変わってやるぞと思っていた。そして、接客が2の次であった浪速店が変わった。当初は夢物語であった『風土改革』が、現実のものになろうとしている。私は浪速店のスタッフを誇りに思う。最高のスタッフをこの場で紹介できたのは、最高の幸せだ。これからも、この最高のスタッフとともに、最高のホールを追求していきたい」と力強く誓った。

“120人面接”をよくやりきったと思う。ホール改革を実現するのは、スタッフ1人ひとりの協力が必要だ。そして何より、軸になって動かしていくリーダーが必要なのだ。1つになるには、人の話も聞き、自分の意見も述べ、そのなかで互いに目標へ向かっていく“合意”が基本になくてはならない。同店の場合、店長の目標に賛同できず、辞めていったスタッフもいるという。きれいなドラマのように書いているが、その裏にはリーダーとスタッフのギスギスの“せめぎ合い”もあるし、ドロドロの“貶(けな)しあい”もある。

そうした実に人間くさい葛藤を乗り越えてこそ、ドラマのような感動が生まれるのだと思う。途中でへこたれたものには、決してその感動は得られない。だから、決勝大会のステージに上がったスタッフたちは、ほとんどが泣くのである。それだけホール改革は、苦しかったし、つらかったのである。しかし、スタッフたちは参加意識を持って、自主的に自らのテーマと向き合い、仲間や顧客に励まされながらそれを克服し、その末に大きな感動を手にした。これは短時間に、大きな試練のなかで、突然に起こったドラマである。やればできるし、やる意志のないホールは永遠にできない。

写真キャプション=決勝大会のステージに上がってプレゼンを終え、賞状を手にして晴れやかな表情を見せる各チームのメンバー


最後に、このホールの緊急時に、時間のかかる人材教育などやるべきではないと叫んでいるコンサルタントがいた。私もよく知っている人である。このブログも見ているのではないだろうか。その上で、プロモーションのテクニックなどを解説していた。私に言わせれば、この緊急時だからこそ、やるのである。これはホールが変わる大きなチャンスである。そして、上から押し付ける教育ではない。自主的な活動である。さらに動機さえあれば、それほど時間は掛からないし、コンサルタントに大金を払う必要もない。スタッフの意識が変われば、あなたの言っているようなことは、スタッフが自主的にできるようになる。しかも、そんなテクニックなど誰でも知っている。問題はスタッフの意識と、それを活用しようとする経営者側の意識にある。

別に喧嘩をするつもりもないが、ファンを大切にするホールが増えてくれることを望むばかりだ。それは、玉をもっと出して潰れろと言っているわけではない。気持ちの問題である。そして、その気持ちは必ず、顧客に通じるはずだ。通じないのであれば、その気持ちがまだまだ足りないと思わなければならない。これが第1回の「ぱちんこ情熱リーグ」を見続けてきて、私が得た唯一の教訓である。実に、貴重な勉強をさせてもらっていると思う。いま、この6回シリーズの原稿を書き終え、私も大きな“感動”を得ることができた。これでやっと、第2回目の決勝大会を見に行ける資格を与えられたような気がする。やっぱり、やればできるということであった。(佐渡屋太郎)

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ぱちんこ情熱リーグ-5(マックスアリーナ篇)【佐渡屋太郎-vol.202】

写真キャプション=決勝大会のプレゼンの前に、チーム紹介のデモンストレーションを行なう「マックスアリーナ」チーム


いまは3月7日(月)の18時00分。そろそろパチンコ雑誌の原稿書きに入ろうと思ったのだが、頼んであった写真や図表のデータがまだ届いていない。先週末には発送するという約束だった。今日は気合十分で事務所に来たのだが、肩透かしに遭ってしまった。そこで、永い間の懸案であった「第1回ぱちんこ情熱リーグ」の決勝進出ホールの取り組みについて書くことにした。

これは全部で6回のシリーズになっており、昨年2月10日に行なわれた同リーグの決勝大会の様子をレポートする試みだった。これまでの経過を辿ると、1回目=感動篇(10年2月24日)、第2回目=丸の内デルコム篇(3月9日)、第3回目=パーラーオーロラ篇(4月9日)、第4回目=駅前ペリカン篇(4月27日)を書いてきた。しかしそれ以降、気力が萎(な)えてしまって、永らく中断していたのである。

しかし、来(きた)る11年3月24日(木)には、もう第2回目の決勝大会が開催される。ここに至って、さすがの佐渡屋太郎の尻にも火が点いてきた。一時はレポートを書く約束をしたことに、後悔を感じていた頃もあった。しかし、今さらそんなことを言っていても仕方ない。残りの2回分を今月の24日までに書くのが、“人間としての道”であろう。前回まで何と5回にわたって情熱リーグネタで引っ張ってきた佐渡屋太郎であるが、さらにあと2回も同様なテーマで押し通そうとしている。なかなか“いい根性”をしていると我ながら思う。

写真キャプション=当日、会場となった「クレオ大阪中央」には約1000名の観客や関係者が集まった


さて、今回取り上げるのは福島県福島市にある「マックスアリーナ」である。地域最大級の960台(P=768台、S=192台)の郊外店で、平均年齢25歳の若いスタッフたち40名が働いている。経営するのは、地元大手の㈱ミナミ・エンタープライスで、第2回のリーグにも福島県で3店舗、栃木県で5店舗、計8店舗を参戦させている。このホールは営業的には成功しているような感じを受けた。しかしリーグ参戦を機に、もう1段階のレベルアップを目指して、スタッフ全員が“ホール改革”に取り組んだ。

写真キャプション=決勝大会のプレゼンで「マックスアリーナ」の取り組みを説明するホールの社員


そのとき、同店の星川店長が自身の肝に銘じたことが3つある。それは、①すべてのことにしがらみや思い込みで発言・行動をしない、②よいものは積極的に取り入れ、悪いことは素直に聞き入れて改める、③お客様目線とお店側の目線の判断を慎重にすること、店舗力とは人間力で、すべては「人」で決まる、というものだった。公平で素直な心を持ち、スタッフによる力の結集で、楽しいホール作りを推進するという決意が伝わってくる。

同店ではリーグ参戦に当たり、取り組んだ改革が3つある。1つ目は「朝礼プロジェクト」。以前は業務の引継ぎだけの盛り上がりのない朝礼を、全員参加型に切り替え、活気と元気と連帯感を生み出そうという試みであった。具体的には早口言葉なども取り入れ、全員が大きな声を出す場を朝礼に設定した。その結果、業務のスタートにあたり、気持ちをONに切り替える効果が出てくるようになったという。

2つ目は「小班体制プロジェクト」。これは以前、早番と遅番の区別だけであったものを、それぞれをさらに3班に分けるという試み。その目的は、誰が誰を教育するかを明確にすることにあった。これは責任の所在をより明確にし、スタッフ同士の距離を縮めて、一体感を作り出すのに大きな効果があった。さらに、「ベストチーム賞」「笑顔ベストスタッフ賞」なども設け、スタッフの頑張りを公平に評価するシステムも導入している。こうした顕彰システムによって、チームワークが強まり、個々のスタッフは受賞によって自分の接客に自信を持てるようになっていったようだ。

写真キャプション=「気遣いプロジェクト」のなかの「回収アタック」について説明するスタッフ


3つ目は「気遣いプロジェクト」。これはお客様の1人ひとりにあった接客、さらに受身の接客から“攻めの接客”を目指すためのもの。その象徴となるのが日ごとに任命される「アタック部長制度」で、部長に任命されたスタッフはその日の勤務時間中に、お客様に20回以上のアタックが義務付けられる。これはお客様へのお声掛けで、このアタックには「箱上げアタック」「回収アタック」「気遣いアタック」などがある。

つまり、顧客からの依頼を待つのではなく、スタッフから積極的に顧客へ箱上げや空き缶やゴミの回収、困っていることへの声掛けをしていくという訓練でもあった。こうしたなかから、顧客とのコミュニケーションが生まれ、スタッフは自分の気持ちが伝わったことに対して“感動”を覚えていく。これはスタッフにとって“個人的な改革”であり、接客の重要性や顧客の役に立つ喜びを、身をもって体験する格好の機会でもあった。最初は不安であったスタッフたちも、顧客の反応によって自信を持ち、大きく成長していったことだろう。

一方、同店のリーグに向けてのテーマは、「笑顔・元気・気遣い」であったという。このテーマは顧客が“再来店意思”を持つための、大きなアピールであることは前回に見た通りだ。さらに星川店長は決勝大会で、「このリーグによって、取り組みを形にすることができた。アリーナのスタッフは素晴らしかった。このスタッフを誇りに思う」と感謝の言葉をスタッフに投げかけた。多くのスタッフを抱える大型店では、意識の統一が難しい。それを小班に分けることによって、スタッフ同士のコミュニケーションや連帯感の向上に、大きな効果を上げることができた。

写真キャプション=リーグに参加して、仲間との助け合いやお客様からの反応によって自身の変化や成長を語る女性スタッフ


さらに、みんなでアイデアを出し合い、新たな取り組みを決め、それを全員が懸命になって実践したことが、ホール全体における大きな前進に結びついたようだ。それらは顧客の視点で見て、135店舗のなかでベスト5に入るくらい、大きな成果を同店にもたらしてくれた。これはホールにとっても、スタッフの1人ひとりにとっても、大きな自信になったことと思う。東北地区から唯一、決勝大会に勝ち上がった「マックスアリーナ」は、個人的には興味深いホールであった。そして、その期待を裏切ることなく、爽やかな印象のプレゼンを舞台上で展開してくれた。(佐渡屋太郎)

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ぱちんこ情熱リーグ2次予選終了(後章)その2【佐渡屋太郎-vol.201】

写真キャプション=大阪城公園内の梅林で咲き始めた紅梅


いまは2月4日(金)の20時50分。このブログの原稿も200本を超えたことに、いま気付いた。他のコーナーでも5~6本は書いているので、実際は昨年末に“200本越え”を果たしていたようだ。思い返せば、100本目の原稿を書いたのは、マルハンの創立50周年記念のころだったと思う。いま調べたら「息子たちへの七つの伝言(2)」(2008年6月30日)がちょうど100本目に当たる。マルハンの韓昌祐会長が、息子たちに贈った“戒めの言葉”のことを書いた記事だった。

このブログを始めたのは07年9月22日であったので、約9ヵ月で100本。その後、今日まで約2年7ヵ月で100本という計算になる。この書くペースの“減速振り”には、自分でも驚いてしまう。とくに180本目あたりから、書いても書いても一向に本数が増えないことに喘(あえ)いでいた。と言いながら、実はそれほど一所懸命に書いていたわけではない。しかし今日、やっと“200本の壁”をぶち破った。誰も祝ってくれないので、1人で祝杯を挙げることにする。「ヤッター!!」。

そして、うれしいことに記念すべき201本目の原稿は、すでに出来上がっている。前回、原稿量が多すぎて2回に分けたので、今回は前フリと最後の締めを書き、挿入写真を選べば終了となる。前半の原稿はすでに送った。あと、この原稿を今日中に送れば、2週間分のストックができる。いまの気持ちを表すために、梅の花の写真でも散りばめておくことにしよう。

さて、今回のテーマは、“覆面調査”におけるモニターのコメントである。これは顧客の“生の声”と言ってもいい。たとえば、顧客が初めてあるホールに行ったとき、どのような観察を行ない、どのような反応を示すかという事例集である。それをぱちんこ情熱リーグでは、まとめて冊子にした。これは実に貴重な資料集であると思う。私もすでに2回、熟読している。

写真キャプション=「フォロー勉強会」で配布された「感動・残念コメント集」


その結果、だいたい顧客の思考と反応パターンは分かってきた。そのなかで顧客の“再来店意思”に、スタッフの存在が大きく影響していることが大きな発見だった。顧客は遊技を楽しむためにホールに行く。しかし、その楽しい雰囲気を遊技台にばかり求めているのではない。むしろ、それをスタッフに求めている。つまり、スタッフには遊技の楽しさを演出する“コーディネーター”としての役割が求められているのだ。

それは、東京ディズニーランドのスタッフや一流レストランのスタッフと同等のものである。そうした“ホスピタリティー”(相手を思いやり、手厚くもてなすこと)を、ホール業界へ最初に持ち込んできたのはマルハンであった。その結果、いまではマルハンレベルの接客が、ホールの“スタンダード”(標準)になっている。だから、そのスタンダードと大きなギャップのあるホールは、顧客に手厳しく批判されることになる。

つまり、“スタッフの接客がだめで、サービスの悪いホール”という烙印を押されてしまうのだ。そんなホールがいくら必死の思いでイベントを行ない、新規客を呼び込んだとしても、ホールの悪評を広めるだけいうことになってしまう。そして、顧客はそんなホールには2度と行かないし、人に勧めることもない。逆に言えば、顧客は常にマルハンをはじめとしたトップクラスのホールと比較して、そのホールを見ているということだ。では、その具体例を見ていくことにしよう。

【感動コメント集】
④本日のスタッフの感想
●「スタッフさんの行動やホールの備品の隅々にお客様に対する心遣いが感じ、とても楽しく落ち着いて遊技できる空間になっていました。素直に『また来たい』と感じました。今まで行ったパチンコ店さんではスタッフさんの対応が一番よかったです。(女性、27歳、専業主婦)

⑤ロイヤリティ
●「駐車場の入場から『いらっしゃいませ!!!』と声をかけられたことがなかったので、まずそこに感動しました。スタッフさんが元気に対応してくださるのは、とても気持ちがいいものです。混雑していたので、『今日は本当に多いですね』と声をかけると、『ありがとうございます!!』と気持ちの良い挨拶で迎えてくれました。本当に楽しめるホールとして、一日中パチンコをしている友人にすすめたいです。『朝(オープン)から晩(閉店)までいても楽しめるよ!』と紹介します」(男性、34歳、会社員)

●「スタッフさんはこちらのペースに合わせながら受け答えをして下さり、対応もしっかりしているので好印象を受けました。やはりスタッフさんの印象がよかったのが、一番の魅力だと思います」(男性、37歳、自営業)

【残念コメント集】
①サービス
●「申し訳ないですが、良いと感じる点は1つもありませんでした。スタッフさん達からは、まるで笑顔がみられないですし、とても無愛想で接客をしている態度ではありませんでした。スタッフさんと通路ですれ違ったのですが、女性スタッフさんは道をゆずらないどころか、挨拶もなく、がっかりしてしまいました。(中略)全体的にもうちょっと笑顔で接客していただけると、他のお客様も気持ちよく遊べるのではないかと思います」(女性、32歳、会社員)

●「まず、入店時にたくさんのスタッフがいたにも関わらず、どなたからも挨拶がありませんでした。笑顔がなくダラダラしていて、真剣さも楽しさも伝わってきませんでした(後略)」(女性、28歳、会社員)

●「入店して1時間くらいで最初に感じたのは、とにかくスタッフさんの表情が男女とも暗いです。(中略)遊技中に上の玉がなくなり、下に置いている玉を上に置いてもらうために呼び出しランプを合計5回押しましたが、迅速にてきぱき動いてくださったことは1度もなかったです。こちらのスタッフさんは、もっとよそのお店に勉強にいってほしいものだと感じました。まずは元気のよさと明るさを出すように頑張ってほしいと思います」(男性、45歳、会社員)

●「(前略)店員さんからの声かけなどもありませんでした。スタッフさんに質問したところ、『忙しいのになぜ聞いてくる!』といった感じで、困ったような顔で対応されました。カウンターに関しましても、事務的な仕事で親切さがありませんでした。一番気になったのは、スタッフさんがお客様を優先せずに動き回っていたことです。今後に関してですが、まず接客業なのですから挨拶をしっかりと元気よくしていくべきだと思います。また、単に自分たちのペースで動き回るのではなく、お客様のペースで動くことを意識したほうがいいと思います。まずは客様側に立った接客を積極的にしていって欲しいです」(男性、38歳、会社員)

②クオリティ・プロモーション
「(前略)店内にも、中央に新台のPOPはありましたが、実際にその台がどこにあるのか分かりませんでした。○○○○の新台のPOPがあったように思うのですが、矢印と実際に台のあるコースが逆向きだったように思います。同じような理由で、自分の打ちたい台がどこにあるのかというのは、実際に自分で回って見ないとよくわからなかったように思います(後略)」(女性、38歳、パート・アルバイト)

●「(前略)マイクアナウンスについては、ほとんど聞き取ることができなかったので、もう少し聞き取りやすいような工夫をしてほしいと思いました」(男性、41歳、その他)

③設備・クリンネス
●「玉が落ちているのをスタッフさんが回収しているところは見られませんでした。逆に、出玉をこぼしている姿を見かけてしまいました。出玉はお客様の大事な財産ですので、丁寧に取り扱って頂けると嬉しいと思います(後略)」(女性、39歳、会社員)

●「トイレはとても汚かったです。女子トイレに入ったのですが、2つあるうち1つは使用中で、もう1つは、便座が上がっていました。トイレのフロア全体にゴミが落ちていて、すごく大きなほこりが便座にありました。1日でたまるようなほこりではないと思いました。そのため、とても不快に感じて、私には使用できませんでした」(女性、47歳、専業主婦)

●「灰皿に吸殻がたまっていました。それは、トイレの灰皿にも見受けられました。駐車場には、タバコの吸殻がたくさん落ちていました。おそらく100本以上あります。『この様子だと駐車場のごみ拾いは徹底されていないのだな』と感じました。隣接する○○○○さんの駐車場にはほとんど吸殻は落ちていませんでした。お店の取組み意識の問題だと思いますので、こちらはすぐ改善されたほうが良いと思います(後略)」(男性、35歳、会社員)

●「私が座った270番は、前の人が吸ったと思えるタバコの灰が少し散乱していて、タバコを吸わない私にとってとても不快なものでした。その席に2時間近く座っていましたが、スタッフさんは一度も拭いてくださることもなく、とても残念に感じました。台やその周辺の掃除についても、もう少し心配りがほしいと思いました(後略)」(女性、32歳、専業主婦)

写真キャプション=梅林内で各種の梅木の盆栽が並べられた植木市


④本日のスタッフの感想
●「(前略)今回、行かせていただいたお店の一番のウィークポイントは、スタッフさんの『活気』、『元気良さ』が欠けるところだと思います。よく行かせてもらうホールは『○○○○』さんや『○○○』さんですが、どちらもスタッフさんが元気すぎるくらい溌剌としています。出なくても元気なホールに行くと癒される空間だと思っております。パチンコは日頃の鬱憤を発散させるところ、わくわくさせてくれるところと認識しておりますので、ムード作りも大変大切だと思います」(男性、44歳、自営業)

●「スタッフさんの表情が、みなさん暗いような気がしました。(中略)よく行くホールでサービスがよいと思うホールは『○○○○○店』さん、『○○○○○店』さんです。ここは2店ともスタッフさんに笑顔が見られ、玉箱がいっぱいになって新しい箱に交換してもらうとき、『お待たせしました』と一礼、箱を交換し終わったら後『ごゆっくりどうぞ』と一礼してくださいます。どこに行こうかなと考えて、まず頭に浮かぶ2店舗です」(女性、32歳、専業主婦)

●「スタッフさんの対応、雰囲気にはあまりよい印象は受けませんでした。(中略)私は、○○○○○さんによく行きます。スタッフさんの対応が丁寧で、いつも笑顔を見せてくださいます。灰の回収やごみの回収に、とても頻繁に来てくださいます。すれ違うときはいつもさっと道をあけてくれます。席に着く際にごみが残っていることは少ないですし、とてもきれいで快適なお店つくりをされていると思います」(男性、23歳、学生)

●「(前略)パチンコ屋さんは、内容等ではほとんど差がないと思います。スタッフさんの対応がもっとも大切だと思いますので、笑顔で元気に対応するように心がけてほしいと思います」(女性、25歳、パート・アルバイト)

●「(前略)とにかく第一印象としましては、元気があまり感じられず、店内もお世辞でも綺麗とは言えず、とくにトイレなどはゴミやそこらじゅうに水滴が飛んでおり、少し不快な印象を受けました。また、自転車置き場が狭く、自転車が乱雑に置かれており、出すのに苦労しました。私がよく行く×××××の○○○○○では、うるさいぐらいに挨拶をされますし、店内も綺麗です。お金をかけなくてもそのあたりの事はすぐできると思いましので、少しでも改善していただければ新しいお客さんなど増えてくると思います」(男性、41歳、会社員)

写真キャプション=肌寒さのなかで、力強く春の訪れを知らせてくれた早咲きの梅


④ロイヤリティ
●「イベントも分かりにくく、スタッフさんについても特に目立って良い印象はなかったので、自宅の近くのお店ではありますが、行きたいとは思いませんでした。そのため、友人にも紹介したいとは思いませんでした。車を走らせてでもイベントの熱い○○○○○さんや自分の遊技したい台がたくさん置いてあるお店に行くと思います。口コミでも広がるような熱いイベントや、それが分かりやすい店内のBGMやアナウンスがあれば、お客様の興味もくすぐって、さらにいい店になるのではないかと思います」(男性、34歳、会社員)

●「新台に依存した営業をされている印象が強かったので、私の打ちたいと思っている機種は出る期待が薄く感じられました。既存の台にも傾注するようなイベントがあれば嬉しいと思います。イベントのインパクトも弱い感じがしました。たぶん来ないとお答えさせていただいたのは、やはりスタッフさんの活気のなさがあまり良い印象ではなかったからです。スタッフさんが元気だと期待できるような気がして、友人などにも紹介したくなるのではと思いました」(男性、44歳、自営業)

●「『たぶん来ない』とした理由は、スタッフさんの表情があまり明るいものではなかったからです。もっと元気で活力を感じられるような笑顔の接客を心掛けることで、お客様も『このお店に行けば楽しい』という気持ちになり、また行きたいと思える店舗創りにつながるのではないかと感じました。また、行って楽しいと感じる雰囲気があるお店を、『誰かを連れて行きたい』『紹介したい』と思いますので、現時点では誰かに紹介したいとはあまり感じられませんでした」(女性、21歳、学生)

●「近所にこのホールがあっても、たぶん来ないと思います。スタッフさんのイキイキとした印象はなく、楽しい時間を過ごせたとは思えませんでした。挨拶はあっても元気がなく、質問に対して分かりやすく丁寧な回答はありましたが、笑顔はなくフレンドリーな感じや特別なコミュニケーションもなく、寂しい印象を受けました。せっかく楽しい時間を過ごしに来店しているのに、ただパチンコやスロットの台のおもしろさで時間を費やしているといった感じでした。そのため、誰かに紹介したいと感じるような魅力も感じませんでした。雰囲気や接客による温かさ等も楽しみとしてパチンコ屋さんに行く人には紹介できないように感じましたし、その考えの自分も再来店は残念ながらないと思いました」(男性、29歳、会社員)

●「トイレが汚いお店はあまり利用したくないので、たぶん来ないという評価にしました。紹介するとしたら男性にすると思います。私の知り合いはトイレにうるさいので、女性のパチンコ仲間には紹介できません。(後略)」(女性、29歳、パート・アルバイト)

●「また来たいと思わなかった理由は、スタッフさんに笑顔がなかったからです。スタッフさんが対応の際に笑顔かどうかというのは、お客様にとって非常に重要な部分ではないかと思います。たとえ、出玉が良くて活気があるとしても、また来たいと思ったり、誰かに紹介しようという気につながることは少ないのではないでしょうか」(女性、46歳、専業主婦)

写真キャプション=これが和歌山で有名な梅干しとなる「南高梅」


かなり書き抜いたつもりだが、それでも「コメント集」のごく一部に過ぎない。打ち込みながら思ったが、スタッフの対応によって、顧客の反応は“天と地”ほどに変わってしまう。とくに、“笑顔”が求められていることに、時代的なギャップを感じてしまった。私などは、その“笑顔”をうそ臭いと思ってしまうのだが、“笑顔”を求める顧客が圧倒的に多い。ホールスタッフもついに、役者やエンターティナー的な才能が求められる時代になったということか。

しかし、いいホールに行くと、やはりスタッフの存在感が大きい。そのスタッフが、顧客に対してどのような気持ちを持って接するのか。その気持ちは顧客にも通じる。まさに“以心伝心”である。さらに言えば、スタッフが前向きで顧客に温かい心を持てるには、スタッフ自身の仕事に対する意識の問題もあるし、スタッフを取り囲む職場環境の問題もある。そのあたりは、前回の決勝大会におけるプレゼンで十分に見させてもらったし、このブログにも書いた。やはり、大きな努力によって壁をぶち破らないと、顧客の心に通じるような接客も笑顔も生まれない。

 役者は自分以上の役を演じられないと思う。凄い役が演じられるのは、その役者自身が凄い人間であるからだ。したがって、凄い人間になることが、いい役者になれることの最低条件である。私が凄い役者であると思うのは、随分古くて申し訳ないが、外国ではマーロン・ブランド、ジャック・ニコルソン、日本では三國連太郎、緒方拳、山崎努である。学生時代、懸命に映画を見て勉強をさせてもらったが、やはり人間の基が違う。だから、あんな凄い演技をスクリーンに残せたのだと思う。その一方で、苦しい体験をすればするほど、人に優しくなるとも言われる。それは人の有難みが分かるからだ。薄っぺらな笑顔ではなく、人間的な深みを感じさせるような笑顔が、人の心に感動を生み出す。これはまさに“スタッフ道”である。

その道の真のプロを目指して、いま若きスタッフたちが懸命に頑張っている。その成果は3月24日の決勝大会でまた見られる。今年はその日に、取材が重なってしまった。しかし、時間が許す限り、その感動を味わいたい。佐渡屋太郎にとって、3月24日は実に忙しい1日になりそうだ。(佐渡屋太郎)

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| 佐渡屋太郎の徒然日誌 | 01:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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お見舞い

この度の東北地方太平洋沖地震により、被害を受けられました皆様に、心からお見舞いを申し上げます。

一日も早く復旧されますよう、お祈り申し上げます。

遊技租界一同

| 管理人より | 01:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ぱちんこ情熱リーグ2次予選終了(後章)その1【佐渡屋太郎-vol.200】

写真キャプション=大阪城公園の梅林で行なわれていた植木市で買ってきた「豊後梅」がやっと咲き出した


いまは3月1日(火)の18時07分。昨夜で月末締切りの原稿がすべて終了し、ほっと一息ついている。しかし、明日はマルハンが「ECOモデル店」の導入した空調換気システムの取材で、東京へ行く。朝9時15分出発なので、また朦朧としながらの東京出撃となることだろう。私にしては、実に早い原稿への着手である。3月は後半にいろいろな取材が重なっているので、できることは早めに片付けておこうと思い立ったわけだ。私としては見上げた姿勢であると、自分で自分をほめてやりたい。

さて、このブログも毎週金曜日に原稿を入れて、土曜日に猪八戒がアップするという一応の段取りがある。しかし、すでに2月の3週目でそのペースが狂ってしまった。これはすべて私の責任である。ここ2回はテーマが重過ぎたり、怒りに狂ったりして、書くのに想像以上の時間が掛かってしまった。そこで今回は少し早めに書き始めているわけだ。私としては見上げた姿勢であると思っている。

テーマはぱちんこ情熱リーグの2次予選結果であるが、すでに個人的な激情によって、3回目まで引っ張ってしまった。今回はやや落ち着いているので、淡々と事実を紹介していこうと思っている。まず、2次予選を勝ち抜き、晴れの舞台である決勝大会への進出を決めた6ホールを改めて紹介する。

①193.5点=「玉三郎亘理店」(宮城県亘理郡)400台(P=350台、S=50台)㈱エムアイディジャパン
②192.0点=「JOY STAGE EVOLUTION」(愛媛県伊予郡)217台(P=177台、S=40台)㈲ミヤマ実業
③191.5点=「DAIICHI J&Z 平野店」(大阪市平野区)425台(P=343台、S=82台)DAIICHI J&Zグループ
④191.0点=「JOY STAGE 大洲店」(愛媛県大洲市)480台(P=320台、S=180台)㈲ミヤマ実業
⑤190.8点=「玉三郎黒崎店」(新潟市西区)292台(P=228台、S=64台)㈱隆嘉洞
⑥188.5点=「ジャンボ30防府店」(山口県防府市)720台(P=540台、S=180台)㈱リー・グローブ

前々回も説明したが、①~⑤のうち2位の「JOY STAGE EVOLUTION」と4位の「JOY STAGE 大洲店」はともに㈲ミヤマ実業のホールで、決勝大会では1つの合同チームとして出場することになった。そのため、6位であった「ジャンボ30防府店」が繰り上がりで決勝大会に出場することになったわけだ。それにしても、参加299店のうち5店という“狭き門”に、2店舗もねじ込んできた玉三郎グループと㈲ミヤマ実業の実力は、並々ならぬものがある。

写真キャプション=「フォロー勉強会」で紹介された「玉三郎亘理店」と「玉三郎黒崎店」の店長


個人的には「玉三郎」は以前に視察したことがあるが、「JOY STAGE」はまだ見たことがない。前回のリーグでも、1次予選で「JOY STAGE松前店」が18位、「JOY STAGE 大洲店」が29位という好成績を上げている。今回はさらにレベルアップして、念願の決勝大会への切符を手にしたわけだ。一方の「玉三郎」は10年ほど前に、その奇抜な演出や店舗管理システムによって、“玉三郎旋風”を巻き起こしたことがあった。その実力は今回のリーグでも、遺憾なく発揮されたということだろう。決勝大会でも観客をあっと言わせるような、得意の“サプライズ”を仕込んでいるような気がしてならない。

去る2月10日の理事会には決勝進出ホールの関係者も来ていて、私も呼ばれたのだが、ちょうど原稿の締切りと重なって行けなかった。やはり当日、初めて見たほうが驚きも大きいだろう。しかし、1月14日の「フォロー勉強会」は取材に行ってきた。これが今回の真のテーマなのである。この勉強会はリーグに参加したホールに対し、その後のホール改善を進めるアドバイスを行なうために開催されたものだ。実はリーグにおける順位より、この勉強会で学ぶことの方が大切なのではないだろうかと思っている。そこで、この勉強会で興味深かったことを2つほど、集中的に紹介したい。

写真キャプション=「フォロー勉強会」で挨拶するNPO法人パチンコ情熱リーグの木山修助理事長


1つ目は、㈱日本LCAの本田一彦氏が行なったレクチャー。そのタイトルは「MSR活用方法の標準形の提供――改善が進む店舗と進まない店舗の違い――」。実に難しそうなタイトルであるが、内容は極めて簡単で分かりやすい。このMSRとは、「ミステリー・ショッピング・リサーチ」のことで、つまりはこのリーグで採用されている“覆面調査”を指す。講演では、この“覆面調査”の結果を生かせるホールと、生かせないホールの違いを挙げたわけだ。

写真キャプション=勉強会で木山理事長の挨拶を聞く参加者


リーグに参加した各ホールの目的は、“ホール改革”を推進することであったはずだ。そのため、参加費も払って299店舗は最低でも3回の“覆面調査”を受けている。そこまでやったのなら、この“顧客視点”による評価を素直に受け入れ、それをホールの改善に結び付けない手はない。では、なぜ改善に結び付けられないのであろうか。その違いを本田氏は次のように説明した。

【改善が進まない店舗】
①作業確認・犯人探しが優先
②マイナス点を発見するツールとしての活用
③役職者のみのミーティング
④ミーティングで店長の発言が70%以上

【改善が進む店舗】
①お客様の気持ちを優先
②お客様の期待値を確認するツールとしての活用
③スタッフも参加するミーティング
④ミーティングで店長の発言が30%以下

この説明を聞いて私は笑ってしまった。実にリアルで、それぞれのミーティングの光景が目に浮かんできたからだ。改善が進まないのは後ろ向きで暗くて、閉鎖的なホールである。逆に改善が進むのは前向きで明るく、風通しのいいホールだろう。こんなホールではスタッフの提案もすぐ採用されるし、何よりスタッフ自身が生き生きと仕事をしているはずだ。

一方、風通しの悪いホールは、社長や営業部長や店長がつるんでいて、なかなか“顧客視点”によるホールの現実を認めようとしない。それは自分たちの今までのやり方を否定されるからだ。その結果、その責任をスタッフに転嫁しようとする。実に陰湿なやり方である。しかし、ホール業界を全般的に見れば、こんなホールが7~8割を占めるのではないだろうか。これは私の印象だ。また、日本全体の企業を見ても、そんな比率ではないだろうと思う。

私は若い頃、就職情報誌の記事を書いていた。そのとき、いろんな会社を取材した。多いときは、1日に5社も回ったことがある。その経験で言うと、伸びる会社は明るいし、社員が生き生きしている。逆にだめな会社は暗くて、空気が淀んでいる。大体、入った瞬間にその会社の雰囲気が分かる。暗い会社では取材される人が周りに気兼ねして、小さな声でしか話せないケースも多かった。これが80年代の会社の現状だった。

先輩からは取材の前には、必ずその会社のトイレに入れと教えられた。だめな会社はトイレが汚くて臭い。それが後日、その先輩を中心としたチームによって『ダメな会社の見分け方』として結実した。それは100項目に上る会社の見分けポイントと挙げたもので、だいぶ評判になったことがある。それはホールも同じことだ。いくつかのポイントを見れば、大体のことは取材をしなくても分かる。折角、顧客視点での指摘を受けたのだから、それを前向きに捉えて、“改善”に結びつけてもらいたいものだ。

写真キャプション=「フォロー勉強会」でのレクチャー風景


2点目は、㈱エンタテインメントビジネス総合研究所の奥村伸一氏が勉強会のなかで、指摘したことだ。それは、「MSR調査」においてモニターが各ホールに対して、指摘したコメントを読むこと。「MSR調査」では評価のほかに、①サービス、②クオリティ・プロモーション、③設備・クリンネス、④本日のスタッフの感想、⑤ロイヤリティの各分野において、そのホールで感じたことをコメントとして記入してもらっている。それが「感動・残念コメント集」としてまとめられ、当日のセミナーで配布された。A4サイズで46ページにわたる堂々とした冊子になっている。

その下敷きになっているのは、どのような項目の評価が、顧客の“再来店意思”に影響するかということである。逆に言えば、顧客に“再来店意思”を持ってもらうには、現在のホールをどのように改革しなくてはならないのかということでもある。評価においては点数で示されるが、顧客の“生の声”はよりインパクトがあり、何よりリアリティがある。その声によって、顧客がどのようなホールを求めているかも、次第に具体像となって浮かび上がってくるのではないだろうか。

パチンコ雑誌ではスペースに限りがあって、その“生の声”をほんの少ししか紹介できなかった。そこで今回はできるだけ、多くの声をピックアップしていきたい。ただ、奥村氏はとくに、【残念コメント集】を読むことを勧めた。それは他のホールことではあるが、スタッフにとっては身に覚えのあることが多く含まれている。そして、それが実は重要な改善ポイントであり、ホール改革における貴重な“宝の山”でもある。したがって、【残念コメント】を中心に紹介していく。

ということで、コメントを一心不乱に抜書きしたら、自分でも驚くほどの膨大な原稿量になってしまった。これでは“猪八戒”が怒るのは当然としても、1回分のスペースに収まらない量になっている恐れがある。そこで、今回の原稿を「その1」と「その2」の2回に分けることにした。同時に送っておくので、あまり間を置かずに見られると思う。では、次回の【感動・残念コメント集】における顧客の“生の声”をお楽しみに。(佐渡屋太郎)

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