遊技租界 『佐渡屋太郎のパチンコ商売道日記』

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どんどん拡がる“節電エリア”【佐渡屋太郎-vol.210】

写真キャプション=モノレールの万博公園駅を下りると、姿を現す巨大なモニュメント


いまは11年5月16日(月)の19時50分。やっと、パチンコ雑誌6月号の原稿書きが終わった。今回、私のメイン記事は、前回のブログでも書いた㈱メリテックの“節電支援”の記事であった。久しぶりに、相手とがっちりと組み合った気持ちのいい仕事ができた。相手の心意気も感じたし、この試みが困っているホールの助けになるという趣旨にも共感できた。以前は、こんな元気のある会社が一杯あって、毎月のように喧々諤々(けんけんがくがく)の打ち合わせをしながら、記事を書いていたものだ。しかし、そんな会社も近頃では、めっきり減ってきた。

さて、今回は記事を書くために、いろんなことを調べて、驚いたことがいくつかあった。そこで、個人的な驚きを今回のブログのテーマにしようと考えた。まず、1つ目は、新潟県にある東京電力の「柏崎刈谷原子力発電所」が、“世界最大規模”の原子力発電所であることを知ったこと。同発電所は1号機から7号機までを持ち、ウィキペディアによると「7号機が営業運転を開始した97年7月2日時点で、それまで最大だったカナダのブルース原子力発電所を抜いて、世界最大の原子力発電所となった」とある。

その紹介番組をTVで見ているとき、同原発の地図の上に佐渡島があってびっくりした。地図で測ってみたら、柏崎から佐渡の赤泊まで、直線距離で58kmくらいであった。米国の基準なら、避難エリアになるくらいの近さである。いつの間にこんなものができたのであろうか。新潟県は東北電力管内で、多くの県民はその恩恵に預かっていない。ちょうど、福島第一原発と同じような関係になる。

写真キャプション=何回見ても偉大な作品であると思う。佐渡屋太郎は大きいものが大好きで、大きいものを見ると文句なく感動する


今回の東電の無策振りを見ると、日ごろは鈍感な私でも不安になってしまう。以前、車で佐渡に帰っていたときは、「親不知」(おやしらず)から糸魚川、直江津の海岸線沿いの風景を見ながら走った。そこには日本海側独特の、懐かしい漁村の風景が続いていた。その先にあるのが柏崎だ。この海は何としても守らなければならない。昔、柏崎から私の町の警察署に署長が転勤してきた。その息子が私より1つ年上で、いつも暗くなるまで一緒に野球をしていた。だから、柏崎という地名には懐かしい響きがある。その彼もいつの間にかいなくなってしまった。

2つ目の驚きは、東電管内のホール数の多さである。管内のエリアは、関東地方と静岡県の富士川以東ということであった。ちょうど今年の「風営白書」が出たので、その22年12月における各党道府県のホールを基に計算してみた。その結果、東京都=1133店、茨城県=329店、栃木県=259店、群馬県=251店、埼玉県=659店、千葉県=519店、神奈川県=670店、山梨県=82店、静岡県(富士川以東)=144店で、合計すると4043店となる。

全国のホール数は1万2479店であるから、東電管内のホールは全体の32.4%に当たる。つまり、ホール業界における1/3の店舗が、東電管内に集中しているわけだ。そして今回、それらホールは「ホール5団体代表者会議」の合意により、月に3回以上の“輪番休業”を、7月1日から9月30日まで実施することになった。これはホール業界全体にとって、決して小さくはない営業的な打撃である。

写真キャプション=下から見上げると、その迫力に圧倒される。ちなみに、「太陽の塔」には腋毛はなかった


さらに、浜岡原発の停止措置により、その影響は中部電力管内、さらにその減少分を補給する関西電力管内にも及んでいる。そこで中部電力管内のホール数を、同様な方法で計算してみる。その結果は、静岡県(富士川以西)=242店、愛知県=712店、長野県=236店、岐阜県=232店、三重県=163店で、合計すると1349店となり、全ホールの10.8%を占める。一方、関西電力管内は、滋賀県=142店、京都府=219店、大阪府=969店、兵庫県=466店、奈良県=108店、和歌山県=108店で、全ホールの16.1%となる。

つまり、当初は東電管内という1部のエリアの問題と思っていたが、これが何と全ホールの1/3に及ぶ影響の大きさに驚いた。次に、まだ“輪番休業”という措置は取られていないが、今夏に何らかの節電策が必要な中部・関西電力管内のホールは全体の26.9%で、東電分を合わせると、全体の59.3%で約6割に及ぶことが分った。

写真キャプション=昔、故岡本太郎氏はTVCMで「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」と言ったが、これは「太陽の塔」の裏側の顔である


また、東電の電気料17%アップが検討されているが、全国的に電気料が上がることは確かだろう。その意味で言えば、“節電”によって全ホールが何らかの影響を受けることになる。それでなくても苦しい経営を続けているホール業界にとって、顧客の消費意欲の冷え込みとともに、大きな打撃となることは必至だ。多くの被災者のことを思えば、そんなことを言っていられないが、外食産業をはじめ深刻な影響を受けている業界も多い。

そこで何回も言うようだが、まずは“節電”について、全ホールが考える必要がある。これも繰り返すが、電気料の経費の節減分は、ホールの純利益に相当する。真剣に“節電”というテーマに取り組めば、それなりの見返りも得られ、社会的な評価も高まる。この点をホール業界全体の課題として、早急に取り組む必要があると、記事を書きながら痛感した。東電の原発事故を契機として、エネルギーや電力に関する考え方が、大きな転換点に差し掛かっている。これは今後の世界にとって、実に重要なことであると思う。

写真キャプション=「ウメサオタダオ展」のポスター。この特別展は展示方法も凝っており、泣けるくらいに感動した。この世には本当に凄い人がおり、故梅棹先生には永遠に生きていてほしかった


今日は疲れもピークに達しているので、“節電”のために早く帰って寝ることにしたい。今回は、適当な写真がないので、5月7日(土)に民博の「ウメサオタダオ展」に行ったときに撮った、万博記念公園の写真を入れておく。「太陽の塔」は自然エネルギーの象徴とも言えるし、人類の新たな旅立ちを意味するようにも思えるが、これは私の勝手な“こじつけ”に過ぎない。(佐渡屋太郎)

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パチンコ業界の“節電方針”が出た【佐渡屋太郎-vol.208】

写真キャプション=相変わらず多くの顧客で賑わっていた「マルハンパチンコタワー渋谷」


いまは5月1日(日)の10時50分。昨夜は“完徹”して、月末締切りの最後の原稿を書き上げた。これでやっと和歌山に行って、毎年恒例のキャンプができる体勢となった。“苦労の先に喜びがある”という言葉をいま、心の中で噛み締めている。今年は天気があまり良くないようなので、釣りをメインにしようと思っている。過去に何回も経験があるのだが、キャンプの回数が増えるごとに、女性は嫌がる傾向が強くなる。

それを分析すると、女性はキャンプが本質的に嫌いで、炊事労働に嫌気が注(さ)すからであると思う。男性は変化を好み、女性は安定を好む。さらに言えば、炊事仕事は女性の日常であって、それから解放されることが旅行の目的でもある。したがって、キャンプで日常より面倒な炊事などしたくないのだ。その結果、今回のキャンプから佐渡屋太郎が料理も担当することになった。テントの設営、火起こし、調理など、ほとんど自作自演の世界となってしまった。

しかし、佐渡屋太郎は料理が嫌いではない。さらに、暗闇のなかで薪を燃やして炎を眺め、夜の風を感じながら酒を飲む。これほどの幸せがあるだろうか。今年は刺身、魚の煮付け、潮汁など、魚をメインにしたメニューで攻めることにしたい。そのため、これまでより1回り大きなアイスBOXも買い込んだ。気合が入っているのである。そして、昨夜から今日にかけて、原稿も書き上げた。あとは和歌山に突進するだけである。久にぶりに海をのんびり眺めることができる。そのことだけで心はバクバクと今から興奮している。

今日はこれから帰って寝て、明日にこのブログを完成させて送れば、任務完了である。しかし、今日のうちできることをやっておこうと頑張っているのだ。この健気(けなげ)な“男心”を、Y嬢にも分ってもらいたい。Y嬢は昨日から枚方の実家に帰り、今日の夕方に帰ってくる。その間に、キャンプの準備は着々と進行しているのであった。

写真キャプション=休日の営業時間短縮を告知する「マルハンパチンコタワー渋谷」の掲示板


そんな中、4月25日にパチンコ業界で大きな動きがあった。それはホール5団体代表会議が夏場の節電方針を発表したことだ。このホール5団体代表会とは、①全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連、理事長=原田實氏)、②社団法人日本遊技関連事業協会(日遊協、会長=深谷友尋氏)、③一般社団法人日本遊技産業経営者同友会(同友会、代表理事=高濱正敏氏)、④一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進、代表理事=宮脇磊介氏)、⑤一般社団法人パチンコ・チェーンストア協会(PCSA、代表理事=加藤英則氏)の代表で構成される会議のこと。この合意事項の方針を各団体に持ち帰り、さらに具体的な対策が決定されていくことになる。では、その合意事項を以下に掲載する。

写真キャプション=多くのファンで席が埋まっていた「ガイア渋谷駅前店」


東日本大震災による今夏の電力供給不足に対する対応について


東日本大震災により、今夏の東京電力管内の供給電力が需要電力に対して不足すると予想されていることから、当業界では、夏場の電力需要ピーク時の瞬間使用最大電力を削減するため、4月25日開催のホール5団体代表者会議で下記の通り合意した。



1.趣旨
東京電力管内において、今夏に電力供給不足が予想されることから、東京電力管内のホールにおいては、25%以上の電力削減を行う。

2.実施期間
平成23年7月1日から9月30日まで

3.実施事項
(1)ホールは月3回以上(平日)の輪番休業を実施し、15%を削減する。
(2)照明及び空調については13%以上の削減となるよう以下の項目を組み合わせて実施する。
  ア 外壁照明の終日消灯
  イ ネオン、看板、電光掲示板等照明の消灯
  ウ ホール内の間接照明を点けない。
  エ 自動販売機の照明を24時間消灯
  オ ホール内の照明を50%間引き
  カ エアコンの設定温度を2度上げる。
(3)その他LED照明への変更等に努める。

                           平成23年4月25日(以下略)

これがホール業界における節電対策の概要である。これを見て、ホール業界節電や営業停止を求める団体やパチンコをしない一般の人たちは、どのように感じたのであろうか。その点について1度、聞いてみたいと思っている。ただ、この情報が出た後にWebを見たら、これだけでは足りないという意見が多かった。連休明けに、日遊協へ節電計画を提案した会社へ取材にいくことになっている。そのとき、25%削減の根拠やこれら節電計画の有効性についても聞いて報告したい。

写真キャプション=自粛営業ながら高稼働を保持する「エスパス日拓渋谷」


ただ個人的に言えば、この“輪番休業”は業界内で以前から囁かれていたことだが、ついにそこまで踏み切ったかという少々の驚きがあった。東京電力管内には4000店のホールがあるというが、大きな営業損失を出しても節電に協力する姿勢を示したということだろう。逆に言えば、それだけホール業界に対する反発が強く、その声を無視することができなかったのかもしれない。

しかし、こうした“上意下達”は果たして、傘下の各ホールにまで徹底されるのかという不安もある。今回の合意事項は各団体に持ち帰られ、具体的な取り決めが行われていくことだろう。しかし、これまでの例から見ると、必ずその取り決めに従わないホールが出てくる。これがパチンコ業界の悲しい体質でもある。そして、そんな一部のホールのことがマスコミに取り上げられ、業界全体がさも“アウトロー集団”のような捉えられ方をされてきた。

今回の件に関しても、何らかのチェック機能が必要だろう。そうしないと、単なる口先だけのパフォーマンスとして捉えられる危険性がある。この節電に関しては、皆が協力して難局を乗り切ろうという雰囲気がすでに醸成されている。一方、その協力体制を阻害する対象に対しては、強い排斥や攻撃の力が働く。この点を甘く考えていると、ホールにとって致命的な結果を招くことも十分に予想される。一般の厳しい監視の目がホールに向けられていることを忘れてはならない。

この5団体の合意事項に関しては、今後の世論の動向をしばらく見ていくしかないだろう。ここからは少し余談になるが、以前に取材をして聞いたことを思い出した。それは、年間で使用電力のピークとなるのは、具体的にいつかという話である。それは8月に行われる高校野球決勝戦の時間帯であるという。とくに、この時間帯は注意する必要がある。それなら、電力量に関して需要量が供給量を超えそうになったとき、TVなどで地震速報のような警報を発するという手もあるような気がする。その間の1時間は冷房を止め、再起動させるときの地域ごとに指令を出して、デマンドが一気に上がるのを防ぐわけだ。

写真キャプション=「エスパス日拓」の店舗に掲示された営業自粛の掲示板


これはまさに「デマンド監視装置」の機能でもある。パチンコ雑誌で「エコレポート」を3年以上も書いている人間としては、なぜパチンコ台2~3台の金額で買える「デマンド監視装置」を各ホールが導入しないのか疑問でならない。これがあれば、使用電力のピークも警報によって抑えられるし、どれだけ使用電力を削減したかも一目瞭然で知ることができる。これは大量電力を使用するパチンコホールとして、当然の義務ではないだろうか。そんな基本的なことを御座(おざ)なりにしているから、こうした事態に右往左往することになる。

石原都知事からパチンコとともに名指しの指摘を受けた自動販売機に関しては、即時に現在の自販機が省エネ構造になっていることと、夏場の電力需要ピーク時に冷却運転を止める対策を取っていることを説明した。これに対し、ホール業界では自粛の内容は伝えたが、現状については「正確な消費電力を把握し、我々の努力を社会に知らせたい」というコメントに留まっている。

それまで省エネに真剣に取り組み、削減の努力を続けているのであれば、その実績を堂々と発表し、さらに緊急事態ではあと空調と照明で●%の削減は可能だという明確な返答ができたはずだ。これこそ、ホール業界が省エネに真剣に取り組んでいる格好のアピールの場になったはずである。何事も指摘や糾弾させないと動かない業界は、いつも“悪者”になり、しかも高い代償を払うことになる。

あと1つ、この前に週刊誌を読んでいて、驚くような記述に出会った。それは『週刊文春』4月21日号で椎名誠氏が連載している「風まかせ赤マント」の中の文章である。同氏の全著作を読み、青春時代と中年時代を随分と年下ではあるが、ともに歩んできたと一方的に思っている佐渡屋太郎は、いささか複雑な思いを抱いてしまった。その文章とは、「晴天の日の日没一時間前の太陽光は1000ルクスで、それでもまだそうとうな明るさだ。人工の光でこれと対抗しているのがパチンコ屋の店内でなんと1000ルクス。まさに神をも恐れぬ電力消費量だ」というものだった。

椎名氏はパチンコもしない自然派の人である。だから、“パチンコ屋”に対する思いも、長い付き合いだからよく分る。結局、パチンコをしない一般の人たちは、ホールのことをこんな風に見ているのである。競合店との激烈な戦いが、いつの間にかホールの視野を狭め、一般社会から遊離した独善的な方向に走っていたことは否定できない。

しかし、そうした明るい店内が落ち込んだ人々の心を明るくさせ、心を癒してきた面があることも確かである。震災後、常連客がホールで再開し、お互いの無事を知って抱き合って号泣したというエピソードもある。これまで暗いディズニーランドがなかったように、暗いパチンコホールもなかった。それがエンターテインメント産業の役割であった。しかし、このような事態になって、考え直さなければならない部分も確かにある。

写真キャプション=多くの顧客で賑わうホールがある一方、渋谷の駅前で行なわれた“節電署名”の運動


今後、パチンコができるようになって、初めて平和や平安の有難さを知る人もいるのではないか。パチンコをすることによって、元気や癒しを得る人もいるはずだ。確かにパチンコ産業は、生活必需品を生み出す産業ではない。いまは生活の復興が最優先課題である。しかし、その復興が進んだとき、椎名氏の言うところの「パチンコ屋の灯」が、街の“再生のシンボル”になることもあるような気がする。所詮、パチンコ屋なんかそんな存在である。しかし、そんなパチンコ屋に通って、多くの人がこれまで人生を生きてきたのだ。

そんな気持ちを、ホール関係者の多くは持っている。また、持っていてほしい。さらに、そんなパチンコホールであってほしい。そんな存在であったからこそ、70年にわたってパチンコホールは、街にあり続けてきたのである。今日は、原稿が終わった開放感と“昼酒”のきつい利きによって、つい本音が出てしまった。記事の内容にあった写真がないので、4月3日(日)に“節電署名”の取材に行ったときに撮った、渋谷の代表的なホールの写真を掲載する。その日のこれらホールは、多くのファンで満杯であった。この現象をどのように考えたらいいのだろうか。(佐渡屋太郎)

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パチンコ店に“節電”を求める署名活動が始まった【佐渡屋太郎-vol.206】

写真キャプション=横断幕を掲げて道行く人に呼びかけるデモンストレーション


いまは11年4月17日(日)の14時30分。やっとパチンコ雑誌の原稿が終わった。いま、そのゲラが出てくるのを待っている。昨夜はついに“完徹”となってしまった。そのせいで、頭がフラフラしてたまらなく眠たい。何かしていないと眠りそうなので、このブログの原稿を書くことにした。しかし、何も考えることはできないので、他に書いた記事を再録することにした。

今回のテーマは、パチンコ店に“節電”を求める署名活動についてである。この取材をするため、4月3日(日)に東京へ行ってきた。3月31日(木)にも浦安と神田に行ったので、4日間で2回も東京に行ったことになる。お陰で、新幹線の中で読書を十分に堪能し、昔の仲間にも会うことができた。さて、前フリはこれくらいにして、本題に入ることにしよう。実はこの“節電署名”については、すでに有料Webとパチンコ雑誌に原稿を書いている。これで3回目となる。

正直言って、もう書く気がしない。そこで前述の通り、雑誌に書いた記事を下敷きにして、ところどころアレンジしていくことにする。それにしても、ここのところパチンコへの“非難”が相次いでいる。その根の部分を探ってみると、換金、送金、脱税をはじめとした旧来の問題にぶち当たる。つまり、パチンコ業界の“不透明さ”が、攻撃の対象になっているのである。そんな分りにくさや多くの問題を抱えながら、片方で派手なTVCMや広告・宣伝を行なっている。

とくに不景気や今回のような危機的な状況になると、そんな態度が一般市民の積もり積もった憤懣に火を点け、一気に爆発してくるのだろう。今回、とくに感じたのは、業界の情報がパチンコをしない一般の人たちに、ほとんど届いていないことである。噂や憶測が1人歩きして、半ば“定説”になっている。このブログで何回も言っているが、業界内でウジャウジャ言っているばかりでなく、一般社会に対して説明すべきことは、きっちりと情報発信すべきだ。

写真キャプション=活動前に集まって説明を聞くボランティアたち


そして、旧来の問題に関しては、その問題解決のために努力をしている態度を伝える必要がある。さらに、それら根幹の問題に関し、納得してもらえるような説明をしない限り、いくら献金や社会貢献をしても、この業界に対する不信感は消えないのではないだろうか。一頃、パチンコ業界でも“社会的認知”という言葉が盛んに飛び交ったことがあった。しかし、社会にパチンコ業界を認知してもらうには、パチンコをしない人たちに業界の在り方を説明し、納得してもらう必要がある。果たして、業界は納得してもらうために強い意志を持ち、そのための努力を続けているのだろうか。その点に、私は疑問を感じる。

その態度や気持ちがない限り、この業界は変わらないし、社会には認知されない。ただ、こうした非難に“毅然”とした態度で立ち向かい、自分たち苦難の戦いを滔々(とうとう)と述べられる日が、近い将来に必ずやって来ると思う。その救世主に誰がなるのか。個人的は若い世代に期待したい。実は4日前から梁石日著『シネマ・シネマ・シネマ』(光文社刊)を読み始め、昨日に読み終わった。これは66歳の梁石日氏と30歳代から40歳代の在日や韓国人が、莫大な借金を抱えながら3本の映画を作り上げる物語である。固有名詞は変えているものの、ほとんどが実話であると思う。

実にリアルで、面白い本だった。これを夢中で読んでいて、原稿が遅れたという側面も否定できない。そのなかで、梁石日氏は在日の若者や下の世代を冷静に見ながら、彼らの映画作りのエネルギーに巻き込まれていく。しかし、そこに明るい未来を確信しているのだ。そのなかでこんな言葉が出てくる。「私はつねに世界の未来につい希望をいだいていた。私の個人的な人生についてはどうでもよかったが、世界の未来については大いなる関心を寄せていた。私が小説を書いているのはそのためでもある。それはまた自己救済にほかならなかった。私は小説を書くことで、自己救済と世界の未来を夢見ていたのだった」

写真キャプション=リアルな面白さに読みふけってしまった梁石日著『シネマ・シネマ・シネマ』(光文社刊)


さらに核心は次の部分である。「監督自らが資金調達に奔走し、民族学校の先輩や後輩、在日の商工人、組織などと交渉してみたが、二時間、三時間もの話し合いの中で、こういう映画を作れとか、俳優を指名したり、自分の身内を出演させろと言って、結局、資金調達はしてくれなかった。『在日は口ばっかりで、どうしようもないですよ』申勝鉉監督(崔洋一らしき登場人物)は深い失望の念にとらえられていたが、それでもなぜ在日なのか。それは彼も私も在日だからである。在日という存在理由に未来の希望を託したいからだ」。

これは著者原作(『狂躁曲』)の1本目の映画(書中では『クレージーホース』、実際は『月はどっちにでている』らしい)のときのこと。ちなみに、2本目の映画は柳美里原作『家族シネマ』(韓国人監督パク・チョルス)で、梁石日氏が父親役で映画初出演したときのことが書かれている。ここでは韓国人スタッフと在日スタッフの対立と和解、低予算での映画製作の苦労、上映を巡って日本や韓国で起こった問題など、興味深いエピソードが次々と出てくる。

3本目もこうした苦難を乗り越え、著者原作映画『アパッチ族』(『夜を賭けて』らしい)は完成した。その結果、M新聞映画新人賞、美術賞、映画監督が選ぶ新人監督賞の3つの賞を受賞する。しかし、興行的には失敗で、製作費の4億6000万円はそのまま赤字となった。そして、3年後に話は移る。「ある日、スナック『ふく』で飲んでいたとき、『ソンさん(作家・梁石日らしき登場人物)、今月やっと映画製作費の四億六千万円を全部返済しましたよ』と洪圭夏(映画製作者)は満面の笑みを浮かべた。その笑顔には長く苦しい闘いのあとの何かを成し遂げた充足感が漂っていた。私が貸した資金も順次返済されていた。『素晴らしい。よく頑張ったな』私は心底、評価した。名もなき小さな企業が、しかも解散しかけた崖っ淵から立ち上がり、ひたすら前進してきたのだった」。

そして、最終ページにはこんな言葉があった。「私は金明雄監督(劇団・新宿梁山泊の座長・金守珍氏らしい)と洪圭夏を信じていたとしか答えようがない。そして、金明雄監督と洪圭夏は、私の信頼に応えてくれたのである」。若い世代の頑張りはものすごかった。それによって、在日文化の新たなページを切り拓き、その後に映画や小説などで新たな人材が次々に登場し、その流れをさらに大きいものにしようとしている。パチンコ業界でも商売ばかりでなく、業界全体を改革してくれるような、スケールの大きい人物が出てきてもらいたいものだ。

写真キャプション=旗やプラカードに書かれた数々の主張


頭が回らないといいながら、ものすごい前フリとなってしまった。では早速、今回のテーマに入っていくことにしよう。まず、概要から説明していく。「パチンコ屋は節電に協力しろ!緊急呼びかけ委員会」は4月3日(日)、JR渋谷駅のハチ公前広場で、第2回目の署名活動を行なった。同委員会は保守系の団体が中心となり、有志によって結成されたものだ。当日は趣旨に賛同した40名のボランティアが集まり、14時から17時まで活動を展開。その結果、900名を超える署名を集めた。

この活動のスタートとなったのは、3月27日(日)に行なわれた署名活動だった。場所はJR新宿駅の南東口で、ボランティア20名が参加。14時30分から2時間で、計350名の署名を集めている。さらに、3回目の活動は4月10日(日)、小田急新宿駅前で決行された。14時からボランティア30名参加し、2時間45分で550名分を収集。この3回にわたる活動によって、得られた署名は計1800名分に上った。同委員会は今後もこの署名活動は続けていく方針で、第4回目は4月16日(土)、1回目と同じ新宿駅南東口で、14時から予定されている。

では、この活動を始めた動機はどこにあるのか。また、具体的にどのようなことを国民に訴えているのだろうか。その趣旨は、同委員会がボランティアを求めるHPに明示されているので、その文書を掲載する。

写真キャプション=呼びかけの趣旨が明記された署名板

パチンコ屋は節電に協力しろ!緊急呼びかけ委員会
 
第2回署名活動の呼びかけ


東北地方太平洋沖地震による計画停電により、『今、わたしたちが出来る事』として多くの方々が節電に心がけています。

震災地の人々を思いやる気持ちがひとつになって震災を乗り越えようとしています。東京電力の管内におけるパチンコ店の1日の電力消費量は約50万世帯分ともいわれています。計画停電の為に病院で手術が出来ない。信号機が点かなく交通事故を起こした。通学の為の電車の運行もままならない。

救われる命が救われずにして生産性無きパチンコ店で巨大な電力が消費されている不条理があります。

23兆円といえるパチンコ産業ですが本当に必要なものでしょうか。誰がみてもパチンコはギャンブルです。しかし何故パチンコ店は摘発をされないのでしょうか。

何故ギャンブルを勧めるコマーシャルをテレビでさせるのでしょうか。

北朝鮮への違法送金。脱税問題。パチンコ依存症からの借金地獄。子供の放置。様々な問題を含むパチンコ産業の巨大電力消費は許されません。国民の怒りは高まるばかりです。

パチンコ店撲滅の橋頭堡になるべく、超党派の幅広い連帯を求めたいとおもいます。

違法賭博を違法としない大いなる不条理を糾し、パチンコ店に節電を呼びかけ、且つ、国会法に基づく請願の署名街頭活動を下記の通り行いますので是非ともご参加ください。(以下、省略)

写真キャプション=この日は900名が趣旨に賛同して署名した


パチンコ業界への批判は、このところ相次いで起こっている。そして、今回の震災を機に、さらなる増幅の機運が顕著になった。この運動の主体となったのは、「日本の心を学ぶ会」「国民社会研究会」「日本再建会議・東京」「そよ風」の4団体だ。しかし、今回は団体全体としての活動ではない。「日本の心を学ぶ会」の代表である渡邊昇氏の主張に賛同した各団体の代表者が、この活動に参加したということであるという。そして、事務局の渡邊氏が中心となって、活動に参加するボランティアの募集を行なうという構造になっている。

参考までに言っておくと、この委員会は先に動きがあった「パチンコ違法化・大幅課税を求める議員と国民の会」(代表世話人・荒川区議会議員・小坂英二氏)とは、全く別の運動組織である。上記の呼びかけ文を読んで、どのような感想を持たれたであろうか。業界関係者であれば、反論の余地は多くあるだろう。ただ、これがパチンコをしない人たち、つまり一般的な市民感覚での“パチンコホール像”に近いこともまた事実だ。いくつかの事実誤認はあるが、主張している論拠は十分に理解できる。

その結果、震災後の心理的な影響があるとは言え、短時間で1800名分の署名が得られたわけだ。つまり、この主張に一般の人たちが賛同する要素が、多く含まれていたということだろう。ある団体の代表は「これまで色んな署名活動を行なってきたが、今回ほど署名が集まりやすかったことはなかった」と印象を語った。

ちなみに、この署名運動は国会法に基づく請願活動であるという。集められた署名は紹介議員の仲介によって、衆参両院の国会事務局に提出される。その後、付託された委員会が、議院の会議に付すかどうかの検討を行なう。つまり国会に対して、パチンコ店の節電を求めるための署名活動となる。当面は期限も決めず、署名数の目標も持たずに署名活動を続けていく方針だ。

写真キャプション=節電を呼びかるプラカードの横で署名する女性


その一方で、同委員会の趣旨に賛同する団体が、全国的に増えてきているのが現状だ。都知事選に当選した石原氏も、「軒並みに自動販売機が並んでいるこんなバカな国はないよ。パチンコだってそうじゃないの。社会全体で反省したらいい」というコメントを述べている。こうした危機的な状況に際し、一般市民がパチンコに対して抱いていた日頃の憤懣が、一気に噴出してきたと見るべきであろう。このようにしか思われていなかったという現実を、直視すべきときがやってきた。今後、パチンコをしない一般の人たちに、業界として“パチンコの存在意義”を発信していくことが強く求められる。

かなり高いテンションで書いているが、この件に関しては当日、渡邊氏をはじめとした4団体の代表者に会って話を聞いている。その後も電話で連絡を取っているので、今後も継続して活動の推移を見ていきたいと思う。それにしても、いまのパチンコ業界の態度は問題がある。この前のパチンコ業法に対する態度には愕然としたが、いつまで“逃げ腰”を続けるのだろうか。逃げるものは必ず追いかけられる。もっと前向きに堂々とあってほしい。(佐渡屋太郎)

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