遊技租界 『佐渡屋太郎のパチンコ商売道日記』

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ヘロへロな誕生日【佐渡屋太郎-vol.183】

写真キャプション=「だいどう豊里駅」までの道で、大輪の花を咲かせた見上げた植物


いまは8月1日(日)の20時50分。今日は何を隠そう佐渡屋太郎の誕生日である。今まで事務所でバタバタしていて、やっと落ち着いてパソコンに向かえるようになった。思い返せば、よくこれほど年をとったものだ。そして、これだけ長い期間を与えられたのに、何も成長できなかったことに愕然とする。バタバタしているうちに、アッという間に時間が過ぎ去っていった。これからもこんなことを続けながら、死んでいくのだろうと思う。

まあ、それも仕方ないと数年前から思うようになった。こうなったら、できるだけバタバタして死んでやろうと思っている。そのためには、何よりも健康でなければならない。体が動かなくなったら、得意のバタバタもできない。と言いながら、タバコを吸い、酒を飲みながらこれを書いている。佐渡屋太郎の持論は「飲めるうちに飲んでおく」ということであり、それを日々実践している。

どうせ、体が悪くなったら、飲む気も起こらなくなってしまうはずだ。アチコチ動き回って、ワイワイ言いながら酒を飲んで、シコシコと原稿を書く。こんな生活を1年でも永く続けていきたい。しかし、果たしてあと何年続けられるのだろうか。それは“神のみぞ知る”ということだろう。ここは自分の“生命力”に賭けるしかない。

写真キャプション=「終活ファッションショー」のエンディング。この試みは重大な問題提起をしていた。その詳細は葬儀雑誌の原稿で書く


さて7月は、30日(金)に最後の原稿を書き上げ、めでたく終了した。31日(土)は以前から予定が入っていた「終活ファッションショー」の取材で南森町に行き、その後は難波で釘師のSと飲み、急いで上新庄に帰ってY嬢と誕生日祝いで寿司を食べに行った。Y嬢の誕生日は8月2日なので、ここ8年間くらいはこうしたパターンが続いている。しかしそのすし屋は、前に行ったときに比べ、明らかに質が落ちていた。そのあからさまな方針転換に、その店に対する“信用”が一気に吹き飛んでしまった。もう2度と行かないだろう。多分、潰れるのも時間の問題だと思う。こんな店が近頃、多くなってきている。

写真キャプション=この写真の構図をどこかで見たことはないだろうか。さすが写真家である。その発想の面白さに感激した


そして今日の8月1日(日)は、飛び込みでオファーがあった谷町4丁目のNHK大阪放送会館での「明るい遺影」写真展の取材に行ってきた。その後、難波で知人のHといま抱えている案件の打ち合わせをして、事務所に戻って報告書を書いて送り、やっとこのブログに辿り着いたというわけだ。もうヘロへロの状態だ。昨日も今日も暑かった。いまアルコールを含んだ水で、水分の補給を行なっているところだ。

写真キャプション=ビートルズが1969年9月26日にリリースした「アビーロード」のジャケットを大阪・御堂筋で再現したポスター


しかし、心は実に晴れやかである。それは長期に亘って抱えていた案件を連続して片付けたからだ。1つ目は資料整理、2つ目はアオワーネッキ-の大手術、3つ目は本棚の修理である。あと残るのは、身辺整理と新聞整理だけになった。ただ、新聞整理は着々と進んでおり、あと3束になった。予め断っておくが、今回はパチンコの話題はない。

実は昨日、釘師のSといろいろ話し合ったが、考えなければいけないことが多く、少し時間がかかりそうだ。しかし、的確な指摘であり、実に面白いテーマでもあった。これは避けて通れない。私も長年に亘って考えてきたことでもある。しかし、若い人の発想や行動力に秘められたエネルギーには感服する。いよいよユニークな展開を始める時期かもしれない。状況自体が日々、そちらの方向に進んできているようにも感じる。

写真キャプション=ベランダで究極まで成長した「アオワーネッキ-」 さて、この前は資料整理のことは書いたので、今回のメインは何と言ってもアオワーネッキ-の大手術の報告である。彼とのこれまでの経緯については前回に説明した。私が命を助けたこの“患者”は、その後に物凄い生命力を発揮して、2m50cm以上の背丈になった。そして、いまや天井につかえるほどに成長し、半ば手に負えない“怪物”のような存在になってしまった。これを何とかするのは、私に課せられた責務であり、彼をこのまま放置することは私の良心が許さない。

いま上新庄のベランダで、和歌山や佐渡、そして淀川の川岸から引き抜いてきた苗木の移植手術の結果を日々観察している。成功率は7割くらいだろう。いまだ生死の間をさ迷っている“患者”が4鉢ほどある。その間に、いろんなことも学習した。瀕死の苗木がある日突然、蘇生して若芽を伸ばす光景を目にすると、佐渡屋太郎の目にはいつの間にか熱いものが流れている。その生命力に触れた瞬間は、これに勝るドラマはないと思ってしまう。それほど、感動的な事業なのである。逆に、手を尽くしてもカラカラに干からびて、死んでいく姿も見なくてはならない。

写真キャプション=ベランダの天井につかえるくらいに成長してしまった「アオワーネッキ-」 このアオワーネッキ-に関しては、南方の植物なので、大手術に耐える生命力はあると判断した。しかも、夏はその生命力が最高点に達する季節でもある。手術は上半身と下半身を切断して、その両方を生かす手法を採ることにした。ベトナムのべトちゃんとドクちゃんの手術を思い出す。それを執刀した日本人医師の心境が痛いほどよく分かる。問題は上半身である。ちゃんと切り口から根が出てくれるかどうか。そこで、上半身の葉を刈り込んで水分の蒸発を抑えることにした。さらに、のこぎりで切った切り口をナイフで斜めに切り直して、つぶした形成層を除去し、発根しやすい状態にして植えた。

写真キャプション=上半身と下半身を分離して植えられた手術後の「アオワーネッキ-」 結果はどうなるのだろうか。それは“神のみぞ知る”ということだろう。少ない知識と拙い技術ではあったが、いま私が持っているすべてを投入して、“人事を尽くした”と思っている。あとは“天命を待つ”しかない。その結果は、またおいおい報告していこうと思っている。1つひとつの植物たちが持てる生命力を最大限に発揮し、事務所や上新庄のベランダ、さらに世界中が“ジャングル”のようになってほしいと思っている。

人間も同様である。若い人たちがどんどんと芽を伸ばして、持てる力を最大限に発揮できる土壌を作る必要がある。以前は、自分が一番前に出なくては気がすまない性分で、訳の分からない喧嘩もよくして傷ついてきた。しかし、いまではひと世代上である“団塊の世代”の元気のいいおっさんたちの気持ちもよく分かるし、ひと世代下の“アラフォー”諸君たちともよく議論をする。さらに近頃の楽しみは、自分の息子と同じ21歳の青年との飲み会である。彼はギンギンの営業マンで、とてつもない野望を胸に秘めているが、現実の実績は心配になるくらい乏しい。

その彼の話を飲みながらウンウンと頷きながら、ニヤニヤしながら聞いている。実に楽しい時間である。数年前であれば、そんな話は馬鹿らしくて聞けなかったはずだ。そのとき、私は年を取ったことを実感する。彼にはいくつかの問題はあるが、その野望を叶えるために、いまの自分は何ができるのか。それを飲みながら真剣に考えている。

写真キャプション=写真キャプション=1ヵ月前の手術により、生気を取り戻した「ポトス」 目的に突き進んでいく過程で、彼は萎(な)えるかもしれない。私がこれまで出会った人間は、9割までが萎えてしまった。しかし、いろんな悪条件を撥ね退け、枝を伸ばしていく“若苗”もある。その生命力とサクセスストーリーは、何にも勝るドラマというしかない。そんなドラマを見たいと思っている。
 
今日を区切りにまた1つ年を取ってしまった。しかし、そんなことは生きていれば当然のことだ。死んでしまったら、年も取れない。もう、主人公は張れない。それは昨日、釘師のSと話していて痛感した。今後はいぶし銀のバイプレイヤーで行く。主人公が成長するために欠くことのできない、柔らかな“土”になりたいと思う。佐渡屋太郎は、どこかにいる飛びっきり威勢のいい“若苗”を大量に仕入れたいと、また収集癖の欲望をたぎらせている。(佐渡屋太郎)

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